多くのサウナ施設がオープンし、“サウナー”人口がどんどん増えている昨今。サウナ×睡眠で、脳までととのうと話題の「#ブレインサウナー」を体験してきた。
黄金の90分を整えるのに最適な環境
働き方が多様化し、さまざまなストレスによって深い睡眠が取れにくくなっている。しかし、人間は睡眠によって脳の老廃物を処理しているといわれており、健康な心と身体を維持するためにも睡眠は重要だ。そんななか予防医学の分野でサウナと睡眠の関係が注目されている。サウナには脳がすっきりする効果以外にも、心臓病やうつ病、認知症予防などの効果もあるといわれているが、睡眠の質を高めてくれる効果もあるというのだ。
そこで睡眠のプロ、ブレインスリープがスタートさせた企画「#ブレインサウナー」が今話題になっているというので体験してきた。全国のサウナと提携して行われているこの企画では、サウナと睡眠を組み合わせることで、良質な睡眠に重要とされている入眠時の“⻩金の90分”を体感できるというのだ。
「#ブレインサウナー」とは、睡眠医学に基づいた寝具や鍼灸マッサージ院など多角的に睡眠課題にアプローチしてきたブレインスリープが、科学的にも証明されているサウナと良質な睡眠の関係に着目したイベント企画だ。今回「#ブレインサウナー」を体験するために訪れたのは、2022年7月にオープンした「8HOTEL湘南藤沢」。神奈川・藤沢駅から徒歩5分の好立地にあるライフスタイルホテルだ。
まず1階のエントランス入りチェックインを済ませる。チェックインカウンターを抜けて見えるのはレストラン「8lounge」。宿泊者以外も利用可能で、イギリス発のコーヒーショップ「Dark Arts Coffee」の本格コーヒーやこだわりのハンバーガーなどの食事を楽しむことができる。サウナ浴まで部屋でゆっくり過ごすのもよいが、このカルフォルニアを連想させる空間でリフレッシュするのもよさそうだ。
このホテルの最大の魅力は、宿泊者限定で楽しめる「8 WATER CAVE swim suits spa」。男女共有の水着で入るタイプで、セルフロウリュ付きのサウナや、約12度のキンキンに冷えた水風呂、リラクゼーションプールを有し、スパの屋上には緑に囲まれた外気浴スペースも設置されている。サウナ好きにはたまらない本格的な空間だ。
「#ブレインサウナー」企画最大の魅力は“黄金の90分”を体感するための最高の環境が整っているということだ。せっかく、入浴とサウナ浴によって質の高い睡眠がうまれやすい状態を整えていても、それを阻害する睡眠環境や睡眠前行動では意味がない。
企画を監修するのは医師で日本サウナ学会代表理事の加藤容崇氏。事前におこなったサウナ×睡眠の効果検証では入浴だけよりも、入浴に加えてサウナ浴をした時のほうが、良質な睡眠に最も重要な眠り始めの90分における熟睡時間や熟睡度が向上傾向にあるという結果が出ている。そのエビデンスを活用した“黄金の90分”を体感することができるのだ。
脳までととのう3つのポイント
1.サウナに入るタイミング
良質な睡眠を得るため、寝る時間から逆算し、3時間前にサウナに入る。せっかく、入浴とサウナ浴によって質の高い睡眠がうまれやすい状態を整えていても、サウナに入るタイミングと入眠のタイミングを合わせないと意味がないという。
2.サウナの入り方
サウナ(7分)→水風呂(1分)→外気浴(7分)を3〜4回繰り返す。このセットを繰り返すことで黄金の90分の質が高まるといわれている。ただ、無理をしてしまうと逆効果。そのため、我慢しすぎず、その日の体調に合わせたサウナ浴が大切だ。加藤氏によると、水風呂が冷たすぎる場合は、1分のところを30秒と短くするなど、身体の中まで冷やしすぎないことも、ととのうための大事な要素。各サウナ施設によって時間を調整しながら、自分に合ったサウナ浴法を探ってみることも重要だという。
3.通気性のよい枕で「脳を冷やす」
寝る時は脳など体の中の熱を逃すことで“黄金の90分”の質を高めることができる。また、サウナに入った後は身体の代謝が上がり、熱を放出しやすい。そのため、通気性のいい枕を使用し、さらに睡眠の質を高め、究極のととのいへと導くことが重要だ。今回の「#ブレインサウナー」体験では、「ブレインスリープ ピロー」が用意されているほか、心地よい眠りをサポートしてくれるグッズも用意されていた。枕に吹きかけるとリラックス効果のある「ゴールデンスリープ ピローミスト」は除菌効果もあるため、枕やシーツを清潔な状態に保ってくれる。また、エイジングケア成分として期待されているNMNを100mg配合したリラックスウォーター「ブレインスリープ ウォーター <レモンフレーバー>」は、睡眠の質だけでなく、ストレス緩和や記憶力維持にも効果が期待できるという。
実際に「#ブレインサウナー」を体験してみて、普段は入眠まで時間がかかるタイプだが、入浴とサウナ浴によって質の高い睡眠がうまれやすい状態つくり、睡眠環境を整えて眠ることで、スッと眠りに入ることができ、翌朝もすっきり目覚めることができた。
正しいサウナと睡眠の知識で、質の高い睡眠をとることが可能であると体感できる「#ブレインサウナー」。自分の睡眠環境について見直すいい機会にもなった。サウナと睡眠で脳までととのう。予防医学を掛け合わせた、究極のととのいをぜひ体感してほしい。
■Yasutaka Kato
医師・医学博士(病理学専攻)・日本サウナ学会代表理事・100Plus代表。群馬県生まれ。北海道大学医学部医学科卒。北海道大学医学部にて特任助教として勤務したのち渡米。ハーバード大学医学部附属病院に勤務。膵臓癌の創薬に関する研究を行う。帰国後、慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット、北斗病院腫瘍医学研究所に勤務し、癌ゲノム医療を行なっている。加速する医療費増加を目の当たりにし予防医療の重要性を認識。予防医療としてのサウナを研究するため日本サウナ学会を設立し、予防医療を推進するため100plusを設立。著書に『医者が教えるサウナの教科書』がある。
■8HOTEL湘南藤沢
1週間が8日あったら、どんなインスピレーションが湧くのだろう──。そんな空想を元に生まれたホテル。
住所:藤沢市鵠沼花沢町1-5
TEl:0466-54-0880