HEALTH

2021.02.19

世界中のサウナを体験した二人が語るサウナ未来図【本田直之&松尾 大】

今やすっかりその人気が定着した感のあるサウナ。ビジネスエリートにとってサウナは裸の付き合いができる社交の場であり、また、ひとり籠もって心身をととのえるマインドリセットの場だ。今回は、今のブームを牽引するサウナー本田直之氏と松尾 大氏に、これからサウナはどう進化していくのかを教えてもらった。

本田直之氏と松尾 大氏

レバレッジ コンサルティング代表取締役・本田直之
「サウナはマインドフルネスのための場所」

これまで60を超える国を訪れ、世界中の食とサウナ文化に触れてきた本田直之氏。世界のフーディー(美食家)たちが旅の目的地とするデスティネーション・レストランをいくつも訪れてきたが、「これからは『デスティネーション・サウナ』を巡る人たちも増えてくるのではないか」と話す。

「僕はユネスコ無形文化遺産に認定されているスモークサウナに入るために、エストニアのヴォルという街まで旅をしました。要はサウナ好きはいいサウナがあれば、どんな場所にも行く。日本でも長野県・野尻湖の『The Sauna』のようにデスティネーション・サウナといえるサウナが増えてきました」

エストニアのサウナ

2020年2月にはフィンランド、エストニア、ドイツのサウナと食を巡った本田氏。エストニアのサウナには衝撃を受けたそう。

ブームが加熱するなかでは、サウナの在り方も楽しみ方も多様化しているが、本田氏にとってサウナは「マインドフルネスのための場所」だ。

「エストニアのサウナが神聖な場所であり、フィンランドでは『サウナでは教会にいる時のように振る舞え』といわれます。つまり、サウナは元来メディテーションの要素を持った場所。暗くて静かな空間で自分と向き合うことでこそ、その効果は体感できます。今後は落ち着いた空間でメディテーションのメソッドを取り入れたサウナも出てきそう。また、VIP向けサウナの設置を準備しているクリニックもあり、医学的見地も取り入れながら自分と向き合う。そんなサウナも登場するのではないでしょうか」

Naoyuki Honda

Naoyuki Honda
日米のベンチャー企業への投資育成事業を行いながら、世界の食やサウナを巡る旅をする日常を送る。オンラインサロン「Honda Lab.」主宰。近著は『パーソナル・トランスフォーメーション』『人生を変えるサウナ術』(ともにKADOKAWA)。

SAUNA DATA
サウナ歴
20年
サウナ頻度
週3回
ホームサウナ
グランサイズ青山
サウナとは何か?
マインドフルネス

 

ととのえ親方・松尾 大
「『個宅サウナ』の時代が来る」

世界中のサウナを巡るほどサウナを愛し、多くの経営者や著名人をサウナに案内し、ととのう状態に導いてきたことから“ととのえ親方”と呼ばれるようになった松尾 大氏。現在のサウナブームの一翼を担う松尾氏は、サウナはエンタメになり、今後はもっとライフスタイルに欠かせないものになると話す。

「最近はホテル×サウナ、ゴルフ場×サウナ、レストラン×サウナなど、異分野とサウナがコラボしたプロジェクトの話を聞くようになりました。また女性のサウナーも増えていますし、“サウナ=オッサンのカルチャー”というイメージはかなり払拭されたのではないでしょうか。先日も女性芸能人の方から『自宅にサウナをつくりたい』と相談を受けましたから」

ネイティブアメリカンのスウェット・ロッジ

ネイティブアメリカンのスウェット・ロッジをはじめ、松尾氏は世界各地の伝統的なサウナを体験してきた。

この先は「ホームサウナ=自宅のサウナという『個宅サウナ』の時代が来るはず」と言う。

「これまでも別荘や自宅にサウナをつくる人はいましたが、エグゼクティブ層以外の人たちにも、その動きは広がっていくでしょう。というのも、今までは電圧の問題で海外のサウナストーブをそのまま自宅に設置するのがなかなか難しかったのですが、その点をクリアした製品の輸入がもうすぐ始まるんです。すでに多くの人が実践中の『庭でテントサウナ』というレベルではなく、きちんとしたサウナ室をより手軽につくることができる。そんなお風呂感覚で入れる時代が数年以内に実現するはずですよ」

Dai Matsuo

Dai Matsuo
1976年北海道生まれ。フィットネスクラブや福祉施設等を経営する実業家にしてプロサウナー。サウナに関する執筆、メディア出演、サウナ室のプロデュース等にも従事。著書に『Saunner BOOK』(A-Works)がある。

SAUNA DATA
サウナ歴
20年
サウナ頻度
年500回
ホームサウナ
ニコーリフレ(札幌)
サウナとは何か?
人生を変えるもの

 

Illustration=東海林巨樹

TEXT=古澤誠一郎

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