韓流アイドルの発信から火がつき、今、「辛い時の慰めになる」と注目を集めているブッダの言葉。元僧侶・小池龍之介氏が超訳し、25万部を突破したベストセラー『超訳ブッダの言葉』(2015年/ディスカヴァー・トゥエンティワン)から、「幸せになる方法」を学ぶ。【その他の記事はこちら】

持ちものに執着しない
君よ、私は持ちものに執着しない。ゆえに、もしブランド品の服をなくしたとしても、「何日も探し回っているのに見つからない。困った困った」とイライラすることは決してない。
ゆえに、私はしあわせ。
相応部経典
安心していられる
身体(からだ)で行う行動も、口から出る言葉も、心の中での思考も、ネガティブな方向に暴走しないようにじょうずに運転できていること。これが最高の幸福。
これまで心の中に蓄えてきた善い業(カルマ)のエネルギーがたくさんあるなら、これから先も安心できる。これが最高の幸福。
経集260
家族を大事にする
かつて君の面倒を無償でみてくれた両親には借りがあるのだから、父母に優しく恩返しすることは精神的借金をきちんと完済することになる。
借りを完済して自立すること。それが最高の幸福。
自分の妻ないし夫を守り支え、子を守り支え、そのためにも心を乱すことなく仕事に励み、そこに生き甲斐が持てる。それが最高の幸福。
親族を大事にする心の余裕が持てること。これが最高の幸福。
経集262、263
ケチな自分を乗り越える
「これは自分のお金だ、誰にもくれてやるものか」というケチケチした感情を減らしリラックスするためにも、持っているものを手放し、他人に分け与えることができる。
うっかり好物を独り占めしたくなっても、みんなで分けて食べると楽しい。誰かへのプレゼントを買おうとして、うっかり値札に気をとられて、ひるんでも、思い切ってお金を手放し買ってみると心地よい。
そうして、「ケチ」を乗り越え、自分に克(か)つ。これが最高の幸福。
経集263
満足する喜び
尊敬に値する心の整った人を尊敬し、偉そうになることもなく誰に対しても丁寧であること。 これが最高の幸福。
「今、ここではないどこか」「今、ここにはない何か」を求めていつも、「もっと、もっと」と落ち着かず彷徨(さまよ)い歩くのをやめて、「今、ここにあるごくふつうの物や人」に満足して、心が温かく充足していられること。 これが最高の幸福。
他人からこれまで受けてきた恩を思い起こし、それに報いたいという明るい心が湧き上がってくること。これが最高の幸福。
自分の心にとってタイミングのよいときに、心の法則についての教えを聞いたり読んだりすることで、うっかり忘れそうになる真理を、繰り返し心に染み込ませて成長してゆくこと。これが最高の幸福。
経集265