英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第343回。

カタコトだっていい! とっさの道案内は“Over there!”の精神で
先日、半蔵門線に乗っていたら青山一丁目駅で電車が突然止まり動かなくなってしまいました。アナウンスでは「しばらくこの電車は動きません。復旧は未定です。渋谷方面に向かう方は銀座線をご利用ください」というようなことを言っています。
次の約束まで時間がなく、急いでいた私は慌てて銀座線のホームへと向かいました。
そのさなか、外国人ファミリーの姿が視界の隅にちらっと映りました。
アナウンスは日本語のみだったので、なぜ電車が突然動かなくなったのか、なんでみんなが続々と電車を降りていくのかわからなかったのかもしれません。
「ああ、教えてあげたほうがいいかな」
そう思いながらも、とっさに英語が出てきません。さらに「英語圏の人かどうかもわからないし」「私も急いでいるし」と自分に言い訳をして、声をかけずに私は半蔵門線を降りてしまいました。
結局、約束の時間には余裕を持って間に合ったので、カタコトでもいいから声をかければよかったと後悔しました。
This train is currently stopped due to a problem. If you're heading to Shibuya, take the Ginza Line instead.
たぶんこう言えたらよかったんだなと、今なら思います。
もし英語圏の方でない場合は、さらに簡単に以下でもよかったかもしれません。
This train won’t move for a while. Shibuya? Omotesando? take the Ginza Line.
「渋谷に行きますか?」まで聞かずとも「渋谷?表参道?」だけでも電車に乗っているんだから通じるでしょう。
ちなみに最初にこのフレーズが浮かんだ時、私の頭の中ではこういう文章になっていました。
This train wouldn’t move for a while.
「Wouldをつけると丁寧に聞こえる」というようなことをどこかで聞いた気がして、このフレーズが頭に浮かんだのですが、丁寧に聞こえるのは“Would you like some coffee? ”のような特定のフレーズに限ったことでした。
“This train wouldn’t move for a while. ”と言ってしまうと、普通に「この電車はしばらくの間動かなかった」と過去形に聞こえるので「じゃそろそろ動くのかな」と思わせてしまうかもしれません。なので未来形にしてwill not=won’tが自然でしょうか。
ちなみに先日、新宿からバスに乗っていたら、道を歩いていた外国人女性が運転中のバス運転手に大声で声をかけ“Where is the bus station?”と聞いていました。バスは信号待ちで止まっていただけなので、すぐに発車しなければいけません。しかもここは大都会新宿ですからバスの種類、行き先はさまざまあり「バス停はどこか」と言われても一概には答えられません。
バスの運転手は窓を開け新宿駅の方を指差して“Over there!”と言ってから、発進。
どこに行くにしてもとりあえず駅の方にはバス停はあるのですから、それで間違いありません。時間がなく言語にも隔たりがあるなかで、これ以上ない説明だったなと思います。
それでもその女性は納得しないようで、しばらく“Where is the bus station?”と叫び続けていました。
海外からの旅行者が多い今、都心にいれば外を歩いているだけで英語を使う機会が増えたなぁと実感します。ものおじせず、カタコトでもいいからどんどん道案内をしていきたいと思った次第です。

