韓流アイドルの発信から火がつき、今、「辛い時の慰めになる」と注目を集めているブッダの言葉。元僧侶・小池龍之介氏が超訳し、25万部を突破したベストセラー『超訳ブッダの言葉』(2015年/ディスカヴァー・トゥエンティワン)から、「友達」について考える。【その他の記事はこちら】

自分より性格の良い友を持つ
君が人生を歩むにあたって、自分より性格の良い友、あるいは、せめて自分と同じくらいには良い友と親しくするといい。君の心は無意識的に相手をコピーして、知らず知らずのうちに性格が良くなるだろう。
あいにく自分より性格の悪い、そんな友にしか出会えないなら、いっそ爽さわやかな「独りぽっち」を楽しみ、ただ独りで歩むのが潔(いさぎ)よい。まるでインド犀(さい)の頭に一本だけシャキンと突き出た角のように。
経集47
実質のない空虚な言葉を吐く人は友ではない
「いろいろお世話になった御礼に、こんど部屋を模様替えすることがあったら、いつでも手伝いにくるから呼んでくださいましね」。たとえばこんなふうに、仕事を助けてもらって借りができたことに負い目を感じたとき、本気でするつもりもないことを安請け合いする。そして、いざ君が人手が足りずに困っているときには、見て見ぬふりをする。
こんな人のことは、「安請け合いして言葉の口当たりがよいだけで、友だちじゃない」と知っておくとよい。
経集254
友に胸に秘めていたことを言うときは
「うーん、指摘したいんだけど、どうしよう」と君が心の中に秘めて隠している言葉(セリフ)が、事実に反していたり、他人にダメージを与える内容だったりするなら、決してそれを語らないように。さらに、その秘めている言葉が事実であったとしても、それが他人にダメージを与える内容であるなら、それを語らない練習をすること。
君の胸に秘めている言葉が、事実でありしかも相手にダメージを与えず、 相手にとってメリットがあるとわかるなら、あくまでもタイミングをみて、 それを伝えるとよい。
たとえば、相手が携帯電話ばかりいじっているのを見て寂しくなり、「人といるときに携帯電話ばかり見ているのは失礼だと思わないの?」などと怒りそうになったとしたなら、怒りが静まり、ほとぼりが冷めるのを待ってから冷静に伝えるとよい。
「いっしょにいるとき携帯電話ばかり見られていると寂しくなるから、少し控えてくれるとうれしいな」と。
中部経典『無諍分別経』