韓流アイドルの発信から火がつき、今、「辛い時の慰めになる」と注目を集めているブッダの言葉。元僧侶・小池龍之介氏が超訳し、25万部を突破したベストセラー『超訳ブッダの言葉』(2015年/ディスカヴァー・トゥエンティワン)から、良い行為をすれば良い結果が、悪い行為をすれば悪い結果が自身の人生に影響を与えるという「業(カルマ)」にまつわる教えを紹介。【その他の記事はこちら】

君は、これまで君の心が思ったことの集合体
君という存在は、過去に「何を考えたか」によって、その考えたり感じたりした内容が、ひとつひとつ心に蓄積されミックスされた結果のつぎはぎとして、今、ここに立っている。
すなわち君とは、これまで君の心が思ったことの集合体。
君がイヤなことを思うなら、少しだけイヤな業(カルマ)のエネルギーが心に刻まれ、そのぶんイヤな君に変化する。君が優しいことを思うなら、少しだけポジティブな業(カルマ)のエネルギーが心に刻まれ、そのぶん温かい君に変化する。
こうして人間は、心で思ったとおりのものへと少しずつ変化してゆく。 すべては心が思うことから生まれ、すべては心が思うことによって創られる。
ゆえにネガティブな心によってイヤな話をしたり、ネガティブな心によっ てイヤな行動をしたりするならば、必ずや苦しみ(ストレス)が自分についてくるだろ う。 優しくポジティブな心で話したり行動するなら、必ず安らぎが自分についてくる。 そう、影が君の歩く後ろから必ずついてくるかのごとく。
法句経1、2
ネガティブなことを思わない
もし君が、ネガティブな思考にとらわれたり、ネガティブな思考のままに話したり行動したならば、そのネガティブな悪業をそれ以上は繰り返さないようスッパリやめること。ネガティブなエネルギーは刺激的でクセになるけれども、それへの中毒にならぬよう気をつけること。ネガティブな悪業のエネルギーを心に溜めこんでゆくのは、君の苦しみを増やすことでしかないのだから。
法句経117
悪い業(カルマ)が減らないのは
「あの人はここがよくないのよね」「この人は服のセンスが悪いね」「その人は性格が歪んでるよね」などと、他人の問題点ばかり見ていつもケチをつけるとしたなら、さまざまな煩悩エネルギーが蓄積されていくばかりで、いつまでたってもネガティブな業(カルマ)を減らすことはできないだろう。
法句経253
善い業(カルマ)のエネルギーを軽く見ない
自分が行動・言葉・思考によって心に刻み込む善い業(カルマ)のエネルギーを軽んじて、「どうせ善いことをしても、その報いは自分に返ってこないからどうでもいいや」と投げやりにならないように。
たとえ誰も見ていないところで、公衆トイレを使うときに陶器の汚れを見つけ、それを次に使う人のためを思って拭き取ってあげようという程度の善い心でも、一滴一滴の水滴がやがて水瓶(みずがめ)すらいっぱいにするように、少しずつ蓄積される。
善き業(カルマ)のポジティブなエネルギーは、心の水瓶にポタリポタリとしたたり落ちて少しずつ蓄積されて、やがて心地よい報いをもたらすだろう。
法句経122
悪い業(カルマ)を解消する方法
空中に飛んで逃げても、無理。海の中にもぐって逃げても、無駄。山々の奥深くまで逃げても、無意味。この世界のどこにも、逃げ場はない。これまで蓄えてきた悪しき業(カルマの)エネルギーの報いからは、決して逃げとおすことはできず、いつか、その「借り」を支払う羽目になる。
いやな目に遭っても、逃げもせず拒絶もせず、「この程度の報いですんでよかった」と明るく受け入れるなら、悪しき業(カルマ)の借金はすうっと解消してゆくだろう。
法句経127