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2025.02.09

究極の日用品を体現した、人気ガラス作家「ピーター・アイビー」のギャラリーへ

オーナーの卓越した審美眼と豊かな経験に裏打ちされた品揃えが無二の魅力を放つ、日本各地のギャラリーショップを厳選。価値ある逸品と出会うためだけに、わざわざ足を運ぶ意義は大いにある。今回は、富山の「ピーター・アイビー 流動研究所」を紹介する。人気スタイリスト・野口強による連載「The character of G」。

作家自身がDIYで仕上げたギャラリーは一見の価値あり

「用の美」とは、手仕事で作られた使い勝手のいい日用品に美を見いだすこと。潔いほどシンプルで機能性に優れた日用品は、日々の暮らしを整え、豊かな潤いで満たしてくれる。

アメリカ人のピーター・アイビーさんが手がける吹きガラスの作品は、そんな究極の日用品を体現した逸品だ。シグネチャーのガラスジャーは、もともとは自身が自宅キッチンで使うために制作したもの。透明で中身が見える簡潔さもさることながら、開閉のためのワイヤーロックを長くすることで、枠のような視覚効果も生みだす。ガラスのシェードと銅製の金具がレトロモダンなペンダントライトも然り。

富山に移住した際に購入した築70年以上の古民家を改装するうちに照明が必要になり、デザイン・制作し、作品になったというから面白い。

現在、その古民家は自宅兼ギャラリーに。併設する工房からは、富山の自然や生活からインスピレーションを得た新作が日々生みだされ、今後はワイングラスなどのデザインも増やす予定というから大いに期待したい。

「作りたいものがまだまだたくさんあるんです」と、稀代のガラス作家は、その旺盛な創作意欲を穏やかに燃やす。

富山市はもともとガラスの薬瓶の製造が盛んな地で、ガラス工房や美術館なども点在。ピーターさんが大学で教員をしていた経験から、後進の育成にも力を注いでおり、スタッフの知識継承・技術向上を目指した器“KOBO”シリーズも好評。年に一度開催されるオープンスタジオでは、全国各地から多数の購入希望者が来訪。インスタグラムとHPにて告知予定(要予約)。

Peter Ivy Flow Lab/ピーター・アイビー 流動研究所
住所:富山県富山市婦中町富崎238-1
問い合わせ:info@peterivy.com
※現在、工房・ギャラリー見学は休止中

TEXT=畠山里子

PHOTOGRAPH=荒井俊哉(yard)

STYLING=野口強

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