映画やドラマでひっぱりだこの俳優・滝藤賢一さん。その家族愛は有名であり、親子6人で２LDK住まいだった話は、さまざまなテレビ番組などで語られてきたエピソードだ。しかし、そんな滝藤さんがついに2LDKを飛び出したという。その情報を聞きつけたゲーテ編集部は、インテリアショップ巡りに同行。ファッションや園芸など、多趣味で知られる滝藤さんのインテリアに対する情熱を追いかけた。1店舗目は「ハーマンミラーストア青山」。
書斎にはアーロンチェアかイームズのタイムライフチェアを
まず滝藤さんが訪れたのは、表参道の骨董通りにある「ハーマンミラーストア青山」。ハーマンミラーは1905年に創業したアメリカの「スター・ファニチャー・カンパニー」を前身とする家具メーカーで、1923年に改称。チャールズ＆レイ・イームズやジョージ・ネルソンといった、ミッドセンチュリー期のアメリカを代表するデザイナーの家具を発表し、アメリカの国民的家具メーカーへと成長する。
また、機能的かつ合理的な収納家具やオフィス家具の分野でも好評を博し、1994年には傑作オフィスチェア「アーロンチェア」を発表。マスターピースと現代的な機能系家具の両面で高い評価を受けている。
滝藤 ここでは書斎の椅子を探したい。ドラマや映画の台本を読んだり、原稿をチェックしたりする時に使う座り心地のよい椅子。素敵な椅子で仕事ができたらセリフもスイスイ入るだろうなあ（笑）。アーロンチェアのような機能系なチェアは身体に優しいし、長時間座っていても疲れないので魅力的です。しかし見た目の好みとしては断トツで「イームズエグゼクティブチェア」ですね。
「イームズエグゼクティブチェア」¥740,300。強固なアルミ製のフレームと肉厚なクッションを組み合わせたラグジュアリーな椅子。座り心地が非常にソフト。チェスの名人ボビー・フィッシャーも愛用し、1972年の世界選手権で使用したという逸話もある。
スタッフ 「タイムライフチェア」とも呼ばれている傑作ですね。1959年にニューヨークのタイムライフビルの現代的なロビーのために、イームズ夫妻がデザインした椅子です。
滝藤 「タイムライフチェア」って…そんな椅子あります？ 「時の中で人に寄り添う人生の椅子」って勝手に想像膨らませて解釈できるのがイキですよ！ カッコ良すぎるでしょ！ これは復刻ということですよね。オリジナルモデルとの違いは何ですか？
スタッフ 基本的なデザインは変わりませんが、時代に合わせて安全性などは進化しています。さらに張地も、さまざまなファブリックやレザーから選ぶことができます。これはイームズと同じ時代に活躍したテキスタイルデザイナーのアレキサンダー・ジラルドが手掛けたファブリックで、彼がデザインしたパターンのラグなども用意しています。
滝藤 何色が楽しいかな。僕はパープル大好物なんですよ。パープルだったら何でも買いますから。……うん、なるほど。パープルじゃねぇな。やっぱり書斎の椅子は黒のレザー張りが良さそうですねって、ああああ！！！ 見えちゃったよ……イームズのラウンジチェア。いつか欲しいと憧れ続けている名作です！
張り地に関しては、ファブリックもレザーも選択可能。オリジナリティの高い一脚を作ることができる。
スタッフ 「イームズラウンジチェア＆オットマン」はオリジナルのサイズのものと、現代に併せてサイズをアップデートした背もたれが高いトールサイズの2種類のサイズがございます。
滝藤 こっちが大型タイプですね。頭までしっかりサポートしてくれるから、これは優雅だなぁ。
スタッフ このラウンジチェアは、イームズ夫妻が友人である映画監督ビリー・ワイルダーへのプレゼントとして製作した椅子が原型になっています。
滝藤 な、な、なんと！ 映画人のための椅子ですと！ さらに欲しくなりました（笑）。
スタッフ 大きく見えますが、設置面積は畳一畳分で十分です。
滝藤 マジすか！ oh my goshですよ！ でも、広い空間にドーンと置いて座ってみたい！ 僕の夢です。
「イームズラウンジチェア＆オットマン」¥807,400。プライウッドのフレームにレザー張りのクッションをあしらい、柔らかに体を受け止める。オットマンと一緒に使うことで、足を投げ出し、よりリラックスした体勢でくつろげる。
子供部屋にはジョージ・ネルソンなどアートなインテリアを
滝藤 子供部屋のことも、色々と考えたい。小さい時から名作に触れて暮らすことで、自然と感性を磨いてほしい。僕が親としてできる数少ないことのひとつです。気になっているのはジョージ・ネルソンの「ボールクロック」なんですが、カラーのバリエーションも幅広いですね。あとは「バブルランプ」。こういう名作でコーディネートした子供部屋なんて贅沢ですよね。オレが住みたいわ（笑）。イサムノグチの「AKARI」はありますか？
スタッフ 今は店頭には出ていませんが、少々お待ちください。……手頃な価格帯ということもあり、さらには欧米でも人気とあって、手に入れにくい状況です。
滝藤 こういった製品は、照明でありながらアートであり美しいオブジェ。日常にアートがある生活って素敵じゃないですか！
「AKARI 45D」（シェードのみ）¥13,200。提灯の名産地である岐阜で職人が手作業で作っている傑作照明。未使用時は折り畳んで収納できるなど、機能的でもある。
スタッフ イームズの椅子も、ネルソンのクロックも、イサムノグチの照明も、ミッドセンチュリー期に生まれました。家具の時代性を合わせると、空間がまとまって見えますよ。
滝藤 なるほど、時代性か。この象の置物も同年代ですか？
スタッフ 「イームズエレファント」ですね。もともとは1945年に製作されたプライウッド製の子供用のオブジェでしたが、これはその小型版です。
滝藤 これを子供部屋に置いたら、やっぱりイタズラ書きされちゃうのかな。でもそれが家族の思い出になるんだったら、それもいいよね。そんなことでいちいち怒るのも嫌だしね。12,100円！ 怒りそうだからやめときます……。
「イームズエレファント ホワイト」¥12,100。オリジナルはプライウッド製だったが、この小型サイズはポリプロピレン製。カラーバリエーションは7色。
ハーマンミラーストア青山
住所：東京都港区南青山5-13-1
TEL:03-3486-2660
営業時間：12:00～20:00（日曜・祝日11:00〜19:00）
定休日：無休（年末年始を除く）
Kenichi Takitoh
1976年愛知県生まれ。2023年1月13日に初主演映画『ひみつのなっちゃん。』が公開。ドラァグクイーンたちの“ひみつ”をめぐる、ハートフル・ヒューマン・コメディとなっている。また、主演ドラマ『家電侍』(BS松竹東急)が1月4日21時〜放送。3月19日からはドラマ『グレースの履歴』（NHKBSプレミアム）がスタートする。現在、『探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り』DVD-BOXが絶賛発売中。
