バスケットボール、水泳…幼少期に習っていた頃から長い年月が経過し、その間にスポーツは進化を遂げ、よしとされるやり方も変化している。最新常識を紹介。【特集 人生を変える最強レッスン】
バスケットボール|両手でボールを挟むようにしてシュート
漫画『スラムダンク』の名言にシュートの際は「左手は添えるだけ」がある。連載当時のおよそ30年前はそれが常識だったのかもしれないが、最近はボールを両手で挟んでシュートを打つ選手も増えている。
サンロッカーズ渋谷でストレングス&コンディショニングコーチをつとめる森山倫良(のりよし)氏とアシスタントストレングス&コンディショニングコーチの師玉(しだま)祐一氏によれば、今もシュートの基本は右手が利き手の場合、右手だけで打つことだとしながらも、スリーポイントシュートがトレンドになったことで、ボールの軌道をより安定させるために左手で挟んだり、左手の親指も使ったりして投げる選手が増えていると言う。過去の常識にとらわれずに練習したい。
ロールモデル ▶︎ Stephen Curry
お手本はNBA歴代最高のシューターとの呼び声も高いステフィン・カリー選手。左手をボールの上のほうに置いて、右手と左手でボールを対角線に挟みこむように3Pシュートを放つ。
コーチ ▶︎ サンロッカーズ渋谷
Bリーグ2023-24シーズンは、全体順位9位(中地区3位)。ホームタウンは東京・渋谷。名前の由来は「太陽(リング)を揺らす激しいダンクを狙い撃つ集団」。青山学院記念館をホームアリーナとし、日本代表としてパリ五輪でも活躍したジョシュ・ホーキンソン選手も所属する。
水泳|ムダな力を抜いてのびのび泳ぐ
クロールの泳ぎ方はここ数十年の間に刷新され、新たな常識が数多く生まれている。イトマンスイミングスクール執行役員・事業本部長の星野納氏は、大切なのはムダな力を抜いて、適度にリラックスして泳ぐことだと話す。
例えば、昔は指と指の間はピタッとくっつけると言われたが、今は軽く揃える感じで少し離れていてもよいとされる。そして、水中に手を入れたら、S字にこだわらず、水を後方に押すようにかく。その際、少し加速するようにかくと、より強い推進力を生み出せる。
脚はまっすぐピンと伸ばすのではなく、関節をやわらかく使いながら、リズミカルに動かすとよい。力んだキックは疲れるだけでなく、推進力も低下させてしまう。
ロールモデル ▶︎ David Popovici
クロールの泳ぎでお手本にしたいのがルーマニアのダビド・ポポビッチ選手。動きにクセがなく、手を一直線に後ろにかくダイナミックな泳ぎで、グイグイと気持ちよく前に進んでいく。
コーチ ▶︎ イトマンスイミングスクール
ベビークラスから選手クラス、大人クラスなど年齢や段階別にさまざまなクラスを設ける、全国展開のスイミングスクール。民間初となる五輪仕様公認競技用プール「アキット」など最先端の練習環境により、入江陵介、大橋悠依など多くのオリンピアンを輩出している。
この記事はGOETHE 2024年10月号「総力特集:人生を変える最強レッスン」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら