英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第265回。
もちもち、ぷりぷりの麺を表現する英単語
世界を旅して美味しいものを食べて回っているアメリカ人YouTuberのチャンネルをよく見ています。
つい最近、彼は日本に来て、日本在住のアメリカ人ラーメンマニアさんと一緒に1日3回もラーメンを食べていました。
最初の1杯を食べた時に、ラーメン案内人の方がこう言いました。
They’re bouncy.
「バウンシー」と言った気がします。「弾む」という意味の動詞bounceが形容詞になったもので「弾むような」という意味かと思われます。
けれどラーメンを食べて「弾むような」という感想ってどういうこと? 美味しすぎて心が弾んでしまったのかな? そう思った直後、旅YouTuberの方は被せるようにこう言いました。
Texture is incredible! Bouncy but not too doughy. It’s like a perfect texture.
(テクスチャーが素晴らしいよ。バウンシーだけどドウイーではない。これは完璧なテクスチャーだ)
ラーメンを食べて「テクスチャー」の話をしているので、これはきっと食感のことでしょう。そして美味しいラーメンの食感といえば、もちもち、ぷりぷり。
この「もちもち、ぷりぷり」のことをBouncyと表現したのでしょう。確かにもちもち、ぷりぷりしているものを食べると「この上でジャンプしてみたい」なんて思ったこともあるので「弾むような」という表現も納得できました。というか「弾力のある」という表現が一番正しいのかもしれません。
“Doughy”ではない麺とは?
そしてもうひとつわからなかったのは“Bouncy but not too doughy.”
の「ドウイー」の部分です。けれどこれも食感だと考えてみるとわかりました。
Doughy=生地っぽい
「ぷりぷりしているけど、そこまで生地っぽくない」
doughが麺とかパンの「生地」のことで、その形容詞となると「生地っぽい」ということでしょう。たしかにもちもち、ぷりぷりしているものは、若干生っぽく、生地の粉っぽさも最後に感じる場合があります。つまりこの場合は「生っぽくない」が近いかもしれません。
ちなみに「ドーナッツ」のスペルはdoughnutですが、これは、最初は「生地」と「ナッツ」を使ってできていたことからこう言われるようになったという説があります。
YouTuberとラーメンマニアさんが何度もBouncy!と言ってもちもち、ぷりぷりの麺を頬張っている様子を見ていたら無性にラーメンが食べたくなり、数日前にダイエットを決心したにも関わらず気がついたらラーメン屋に向かっていました。
今度、ラーメン屋でメニューに迷っている外国人の方がいたら“This ramen’s texture is bouncy! Try this!(このラーメンの食感はもちもち、ぷりぷりだよ。食べてみてよ)”とでも声をかけてみたいと思います。