エルメスがイタリア・ミラノで開催されていた「ミラノサローネ 2023」で、新作ホームコレクションを発表した。
1837年、パリに開いた馬具工房を出発点に、世界最高峰のライフスタイルアイテムを展開するメゾンとなったエルメス。そんなエルメスがミラノデザインウィーク2023で新作ホームコレクションを発表した。
華美なものに対するアンチテーゼである鉄筋の格子模様とコンクリートで構成された会場に、アームチェアやソファをはじめ、ランプやラグ、テーブルウェアなどが並んだ。
今回発表された新作はアルカイズム(懐古主義)・自然界からの活力・ミニマリズムの精神から着想。洗練されたものだけではなく、粗く無骨なものに宿る“美しさ”を表現し、エルメスの素材へのこだわりやモノづくりに対する姿勢を体現したコレクションになっている。
そんなエルメスの新作ホームコレクションからいくつかピックアップして紹介する。
1.アームチェア「アンセル・ドゥ・エルメス」
デンマークのデザイナー、セシリエ・マンツが手がけた「アンセル・ドゥ・エルメス」。力強い無垢材のフレームに一枚のレザーシートを組み合わせ、軽やかで洗練された座面に仕上げられている。堅牢性とミニマリズムの融合という北欧の伝統を受け継いだこのアームチェアは、エレガントで堂々とした佇まいが魅力的。W65×D70×H71cm。
(C)Maxime Tetard
2.ラグ「コルデリ・アルソン」
ピエール・シャルパンがデザインしたラグにあしらわれているのは、鞍馬とフェンスポール、レーストラック、そして馬の頭のモチーフ。グラフィカルなラインとシンボリックな色使いが呼応するデザインが印象的。リネン製の裏地に上質なコットンの紐で綿密に描かれたデザインが素材感を際立たせ、インパクトを与える。手刺繡による繊細なパターンのテキスタイルは、エルメスのクラフトマンシップを象徴するオブジェ。200×300cm。
3.ソファ「コントゥール・ドゥ・エルメス」
ソファとしての原型を思わせるタイムレスな存在感が魅力の「コントゥール・ドゥ・エルメス」は、テキスタイルにスポットライトを当てたソファだ。ウールコットンのスラブキャンバス地を主役に、皮革工房としてのメゾンの伝統をさりげなく表現。クッション性のある背もたれのボタンやアウトラインにアクセントを添えるパイピングはレザー製。ファブリックの下に隠された脚にも光沢感のあるレザーが使われている。W210×D97×H81cm。
(C)Maxime Tetard
4.ランプ「スフル・ドゥ・エルメス」
フィンランド出身のデザイナー、ハッリ・コスキネンがガラスという素材の性質を追求し生み出したランプ。明かりが灯っていても消えていても見る者の心を捉えて離さない。機能的でありつつも、どこか懐かしく親しみやすいランプのフォルムは、シンプルでありながら力強さも感じさせる。カシス、フゼア、オランジュ・ブリュレの3色展開。H25.3×Ø17.3cm。
(C)Maxime Tetard
5.ドーム型ボックス「パティネ・ドゥ・エルメス」
エルメスの起源である馬具づくりにまつわる素材であるレザーとブロンズを組み合わせたドーム型ボックス。深みのあるブロンズのパティネ(古色)は、日本の伝統技術から生み出されたもの。また、蝶番でつないだツートーンカラーの蓋が印象的なボックスは、ルージュ・キャプシーヌの色が鮮烈なコントラストを奏でる。
(C)Maxime Tetard
6.テーブルウェア「ソー・エルメス」
陽気にくつろぐ朝食の時間を彩るポーセリンのテーブルウェア・コレクション。フランスのアーティスト、ジョシェン・ギャルネールが、障害飛越競技の国際大会「ソー・エルメス」にインスピレーションを得て、フェルトペンで自由で動きのあるモチーフを描いた。柔らかなトーンに彩られた馬術の世界が、ほがらかでカラフルなひと時を演出してくれる。Ø23.5cm。
(C)Maxime Tetard
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