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2022.11.14

英語には「クレヨンしんちゃん」の“お尻プリプリ”を表す動詞がある!?

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第170回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……

Illustration=Norio

Mooningってどういう意味?

先日、海外の映画会社で働く日本人の方と仕事でお話しをさせていただきました。その方も仕事を始めた当時は英語がまったくわからず大変苦労されたそうです。

映画のお仕事なので台本を読むことが多く、そこに書かれているスラングがとても難しかったとおっしゃっていました。

「“He is mooning.”と台本に書いてありました。Moonの進行形? Moonって月でしょう? なんで動詞になっているの? と不思議でしたよ」

私もさっぱりその意味がわからず教えていただいたところ、こういうことでした。

Mooning=ズボンを脱いでお尻を出す

しかし日常生活でお尻を出すのはトイレに座る時くらいで、わざわざ映画で描かれるシーンでもない気がします。

ケンブリッジの辞書には”Mooning”はこう説明されていました。

The act of showing your naked bottom in public as a joke or as a protest

(裸の尻を公共の場で見せる、ジョークや抗議活動)

なかなか下品なジョークではありますが、確かに酔っ払うと脱ぐ人は世界中に一定数いますので、なんとなく意味がわかるような気がしてきました。しかし抗議活動で尻を見せるとはなにごとでしょうか。

もう少し調べてみると、言語学習者が集まる掲示板「Quora」でこう説明している人を見つけました。

The act of mooning was used especially in the Middle Ages. Why? It was seen as an act of defiance against authority. The gesture was used to disrespect and shame the enemy.
(ムーニングは、権力への抗議として特に中世に使われた。敵に恥をかかせたり、軽んじたりするために使われるジェスチャー)

恥をかかせるために尻を見せる、逆に自分が恥をかいているような気がしますが、よく考えたら小さな子が誰かをからかう時、「やーい、お尻ぺんぺん」とかなんとか言って自分のお尻を出しているあの状態に近いのかもしれません。

というか「クレヨンしんちゃん」がよく大人をからかう時にお尻を出してプリプリ踊る、あれこそが“Mooning”なのではないでしょうか。

“The act of defiance against authority.”(権力への抗議運動)としてのお尻プリプリ……。大人は絶対真似してはいけませんが、欧米ではその動作が絵文字になったり、こうして映画で描かれるくらい、わりとある動作のようです。抗議ではなく、歓迎の意味で新歓コンパなどで“Mooning”する学生も稀にいるんだとか。

ちなみにその語源は、お尻はお月様に形が似ているからとか、普段光の当たらないお尻に、月明かりを当ててあげられるので、など諸説ありました。

またしても絶対使わないであろうスラングを覚えてしまいました。しばらくは月を見たらお尻が浮かんできてしまいそうです。

過去連載記事

連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

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連載
英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」

英語力ゼロのまま渡英、行けばなんとかなると思いつつなんともならなかった2年間のイギリス生活。帰国後はせっかく覚えたいくつかの英単語も忘れ去り、それでも時々は英語と格闘してみる現在、40歳。いつかはうまくなりたいから、恥を忍んで今日もブロークンイングリッシュ。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

TEXT=MOMOKO YASUI

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