35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第161回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
スマートな断りフレーズとは
ロンドンの語学学校に通っていたときのこと、よく授業終わりに「これからパブに行こう」などクラスメイトに遊びに誘われることがありました。
もちろんたいていは喜んでついて行ったのですが、時にはお腹が痛いとか、眠いとか、今月の予算が尽きたとか、そんな理由でまっすぐ帰りたい日もありました。
そんな時なんと断っていいかわからず、このフレーズ一点張りでした。
Sorry, I have other plans.
(ごめん、別の予定があるから)
発音が下手なので「アダープランズ」が通じないことも多く、必ず“Sorry”か“No”を最初に言うことも心がけていました。せっかく誘ってくれたのに、いきなり否定するのは申し訳ないし、しかも予定があるのは嘘なので心が痛みました。なんとかいい断り方がないかと常に探していたのですが、発見できないままあえなく帰国。
けれど先日、海外ドラマを見ていて2年越しについにその“断りフレーズ”と出会えました。
ドラマのなかでは、デートに誘われまくる女性がこんなふうに言っていました。
男性: I have two tickets for the game tomorrow. Do you want to come with me?
女性:I’ll pass.
「明日の試合のチケット2枚あるんだけど、一緒に来ない?」と言われて、「やめておくわ」と断った流れです。
“I’ll pass.”。「今日、飲みにいく?」と言われて日本語でも、「いや、今日パスで」と言ったことがある人も多いでしょう。それがそのまま英語でも使えたのです。
少し調べると、“No thank you.”とほぼ同義、と言っている人もいたので、そこまでぶしつけな断り方でなく、「遠慮しておくわ」といった意味になるのでしょうか。
「遠慮しておく」と言われて「なぜ遠慮するんだ」と、理由を掘ってくる人はそんなにいないでしょう。変な嘘もつかなくていいし、とってもスマートな断り方です。
また、レストランなどで、
Would you like some dessert?
(デサートはどうですか?)
などと聞かれることがよくありますが、これを断りたい時も、
No, I’ll pass on dessert, just coffee please.
(デザートはパスで、コーヒーだけください)
と言えるようです。
欧米では食事そのものの量が多いので、デザートまでたどり着けず、「デザートはいかがしますか?」と言われてもだいたい断っていました。その際はひたすら“No thank you.”しか言えなかったので、次に海外に行くことがあればぜひ言ってみたいフレーズです。
ちなみに「遠慮しておくわ」とデートを断わりまくっていた女性も、断りすぎてだんだん丁寧に言うのに疲れたのか、最後の方は“Nah”としか言わなくなりました。
英語字幕でやっとこのNahのスペルが判明したのですが、発音は「ナー」。
これはNoのカジュアルな言い方だそうで、ほぼ「にゃー」と、猫の鳴き声のように聞こえます。
“I’ll pass”から「にゃー」まで。ドラマの女性のようにデート誘われまくることはなくても、場合に応じた断り方を覚えておきたいものです。
Illustration=Norio
連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。