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HEALTH

2023.06.02

薬に頼らない“予防医療”、エグゼクティブが通うクリニック

賢者の知見を艶のスパイスに。投薬に頼らない医療先進国では既に普及している「予防医療」とは。【特集 男の美容最前線】

診察をする道下将太郎氏

艶溢れる楽しい人生のために

トップアスリートやエグゼクティブが足繁く通うクリニックがある。場所は表参道、数々のアートが覗く入り口で出迎えてくれたのは、脳神経外科医として最前線で活躍する傍ら、「アフロードクリニック」の代表を務める道下将太郎氏。医療に止まらず、高齢者や障害者向けの旅行事業から街開発まで、多岐事業に携わる才気煥発(さいきかんぱつ)な32歳だ。病院としての機能だけでなく、生活と健康のプラットフォームとなる予防医療を掲げている同院。渡すのは人生を潤す“生活処方箋”。

「心身ともにウェルビーイングで幸福な状態が人間的な魅力につながると思うので、見た目とメンタル面の両立が大事だと感じています。そこに対するアプローチとして、美容医療だけではなく内面のコアとなる食事、運動、メンタルのマインドセットや思考法を処方しています」

待合室

入り口左に位置する待合室。ゆっくり腰を据えて、アート作品を楽しむところから処方が始まる。

ピラティスも処方

「薬以外の選択肢を増やしていきたい」という想いからオプションのひとつとしてピラティスを処方。身体構造や環境に合わせて各々にピラティスメニューを考案。専門のインストラクターが教えてくれる。他に不調の根本を骨格から見直すカイロプラクティックや、メディテーションルームでの瞑想、茶道体験も。

診療は、明瞭な三軸の上に成り立っているという。

「1つめは、正しい情報を最新にアップデートし続けること。情報がなければ、薬に代わる選択肢を提案できないので。例えば、血圧の薬ひとつ処方するにしても、1年半かけて体重を8%落とすことで匹敵する効果が得られる。では、8%落とすにはどうすべきか。数値を見たほうが行動に移せるのか、グラフィックを見せながら疑問を深堀りしたほうが効果が出るのか。人によって受け取り方はさまざまなので、情報を整理したうえでカスタマイズして伝えることが2つめです。とはいえ、情報を得ても行動は簡単には変わらないもの。そこで、3つめがモチベーションを保たせること。これらが処方の基盤です」

薬以外の対処法にリーチすることで、単に健康上の数値が改善するだけではなくパフォーマンスレベルも格段に上がる。

「事業収益や家庭環境も相当変わります。トップの経営者やアスリートほど日中にかかる負荷が大きい。僕はそのハイレイヤーの方々のチューニングをしているイメージです」

診察室兼VIPルーム

ミステリアスな空気感漂う診察室兼VIPルーム。色合いや高さなど、緻密に計算された空間は精神的な効果も大きく、自然と話しやすくなるのだという。「家でも仕事場でもないまったく違う環境で、装わずいられるサード・スぺースのような領域を作りたかった。マトリョーシカの中を開くように、それぞれのコアな部分を引きだしたい」

予防医療を進める契機となったのはある想いからだという。

「一定数の手術ができるようになったところで見える景色は変わりませんでした。目の前の命を救うことも無論意義がありますが、数百万人を救うためには根底の医療や哲学的な座組みを変えなくてはと思ったんです」

人が亡くなるのを日々目にしてきた道下氏ゆえに、生死の課題を解決に導く“死のプロデュース”と題したプロジェクトも進めている。その一環にアートによる処方がある。

「生死に向き合う状況下では、言葉の本当に些細な部分が家族に一生残るんです。単語や行間、空気感、音、光の強さまでもが記憶に刻まれる究極のネゴシエーションにおいて、言葉の表現だけでは足りないなと感じることが多い。その代わりを成し得るのがアートだと。解釈に正解はないし見え方が日によって違うことが大事。作品を通して何かしらのプラスを、精神的に感じていただけたら」

処置室

ワンルーム・ワンアートを掲げており、各処置室にもさまざまなアーティストの作品が飾られている。

クリニック内のアート

話題のアーティストをはじめ、名品が勢揃い。クリニック内のアートは定期的に変更。キャプションもついており、一部は購入することも可能だ。

道下氏自らがデザインを手がけた死装束

死のネガティブな印象を払拭したいと、道下氏自らがデザインを手がけた死装束。クリスチャン・ディオール、テーラー高松太一郎氏との協業で実現した。

すべては、人生をいきいきと生きるため。

「時間と資本の二軸に縛られた条件下で、幸福を築く解決策。それは本人が納得して生きているか。そのためにも“人間の中”を見に行く意味があると思う。毎回いつ終わるかわからない短距離レースで、それを納得しながら生きることが人生。瞬間最大風速を吹かせ続けることが艶にもつながる気がします」

道下将太郎氏

道下将太郎
脳神経外科医/メディカルスタイリスト
1991年神奈川県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業後、同大学の脳神経外科に入局。2022年よりAFRODE CLINICの監修を務め、新たな医療の形を提供している。

AFRODE CLINIC外観

AFRODE CLINIC
住所:東京都渋谷区神宮前3-5-7 BASE神宮前B1
TEL:03-5843-0130
営業時間:10:00~19:00

【特集 男の美容最前線】
 

この記事はGOETHE2023年7月号「美容特集:艶のある男」に掲載。購入はこちら▶︎▶︎

TEXT=前原静蘭

PHOTOGRAPH=舛田豊明

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