筋肉美をもつ女神シリーズ23人目は、キム・ジヒョン。連載「マッスル美女」とは……
産後うつがきっかけで始めたピラティス
無駄のないスレンダーボディが美しいこの女性。実は元人気アナウンサーだ。
名前はキム・ジヒョン。ニュース番組はもちろん、朝の情報番組からバラエティ番組のMC、さらにはラジオDJまでこなす、人気アナウンサーだった。
そんな彼女がなぜ、“ボディメイク”に関心を持つようになったのか。最初のキッカケは結婚と出産だったという。
「同じくアナウンサーの男性と結婚したのですが、彼がもともとボディビルをやっていたこともあって、私も一緒にトレーニングをするようになりました。ただ、当初は汗を流す程度で、本格的にエクササイズに取り組みはじめたのは出産後からだったと思います。ちょっとした産後うつ状態に陥ってしまって……。そういった憂鬱な日々から抜けだそうと始めたのが、ピラティスであり、ジム・ワークアウトでした」
憂鬱な日々から抜け出すために始めた新たなトライ。特にピラティスは、彼女の心と体を大きく変えてくれたという。
「ピラティスを始める前までは左右の高さやバランスが違って見えるほど肩は歪んでいましたし、腰のくびれがまったくないほど、無駄なお肉が多い土管のような体型でした(笑)。それがピラティスを続けていると、驚くほど体が変化したんです。何よりも変化したのは“姿勢”。立ち姿も変わり、心構えという部分でも凛とした“強さ”を手にできたような気がします」
感心するのは夢中になるあまり、ピラティスのインストラクター資格を取得し、韓国でチェーン展開されているフィットネス・ジムのセンター長にまでなってしまったということだ。それを家事と育児の両方をこなしながら務めているというのだから、頭が下がる。
「ピラティスを指導したり、ジム経営の雑務に追われたりと、なかなか自分のトレーニングに集中する時間を取れないので、食事には気を配っています。鶏の胸肉などのタンパク質、サツマイモやカボチャなどの炭水化物、繊維が豊富な野菜や果物を頻繁に食べ、サプリメントも摂取し、できるだけ高カロリーのものは避けるようにしています。一番の大敵は“過食”。食べ過ぎもよくありませんが、まったく食べないのも良くない。ほどほどに食べて運動するのが、私の健康管理の秘訣です」
怪我で気づいた、準備の必要性
食事だけではない。トレーニング前の入念な準備にも気を配るという。
「日常的にトレーニングやエクササイズをしている人でさえ、気を抜くと怪我をする可能性がありますからね。実は私もかつて、ピラティス中に過度のストレッチをし過ぎたあまり、左膝の靭帯を損傷するケガを負ってしまったことがあるんです。
約2ヵ月間、膝の曲げ伸ばしができず辛かったのですが、それは積み上げてきたトレーニング・キャリアを過信せず、常に入念な準備が必要であることを教えてくれました。また、怪我を克服することさえも、目的意識をしっかり持てば、学習プロセスになると気づきました。何事も無駄はないし、無駄にしてはいけませんよね」
さすが韓国の名門校・成均館(ソンギュングァン)大学大学院出身。アナウンサーらしく知的なしゃべり口も好印象だ。
夢は家族でボディプロフィール撮影
人気アナウンサーだったのに、ピラティス講師&ジム経営者に転身した彼女の存在がフィットネス関係者たちの間で知られるのは当然のことで、今では『マッスル・マニア』などのボディビル・コンテストなどの司会者としても引っ張りだこになった。
関係者たちの間では、MCではなくいつか選手として『マッスル・マニア』などに出場することへの期待も高まるばかりだが、キム・ジヒョンは「日々努力を重ねている選手たちと同じステージに立てるだけでもMCとして光栄」と恐縮しつつ、いつか叶えたい夢についてこう語る。
「子供たちがもう少し大きくなったら、夫と一緒に家族全員でボディプロフィール撮影に挑戦したいですね」
ボディプロフィールとは、エクササイズやダイエットで美しくなった体を、写真として永遠に残す記念行事のようなもの。“健康美”への意識が高い韓国の女性たちの間で、特に最近流行しているアニバーサリーイベントだ。
人気アナウンサーが家族と撮るボディプロフィール。それもきっと、大きな話題になること、間違いなしだろう。
■連載「マッスル美女」とは……
健康志向が高まり、体を鍛える人が増えている昨今。お隣・韓国でも全国各地で大小さまざまなボディビル大会や"美ボディ・コンテスト"が開催されており、ここから輩出された"マッスル美女"たちが脚光を浴びている。美しくもしなやかな筋肉美をもつ女神をシリーズで紹介する。