PERSON

2020.11.29

フリーアナウンサー宇垣美里の“男を上げる”オススメの漫画3選

電子書籍で1日に2、3冊は漫画を読むという宇垣さん。自他ともに認める漫画好きの宇垣さんに、ビジネスパーソンならこれは必ず読んでいてほしいという漫画を教えてもらった。

成長したいビジネスパーソン必読!

超がつくほどの漫画好きであり、漫画に関するコラムの執筆やテレビ番組のレギュラーなども持つ宇垣美里さん。小学生の頃から漫画はとても身近な存在であり、小説や映画と同じく宇垣さんにとっては生活に欠かせないものだという。

「そもそも、物語というもの自体がすごく好きなんです。小説や映画、演劇も好きですが、出力方法が違うだけで、“物語を楽しむ”ことにおいてはすべて同じ。自分のなかで、どれが上か下かみたいな序列はありません。漫画は物語の内容が自分のなかにスッと入ってきますし、文字と絵によって登場人物たちの視点や感情を巧みに表現しているところがいいですよね」

モヤモヤとした思いを言語化してくれたり、内面的な成長を描いている漫画が特に好みだという宇垣さん。「かなり悩みました」と笑いつつ今回、ビジネスパーソンに読んでほしい、“男を上げる”3作品を選んでくれた。

美大入学を目指す高校生たちの青春を描いた『ブルーピリオド』は、言わずと知れた話題作。

「主人公・矢口八虎(やぐちやとら)がやっと見つけた生きる目標に向けて、苦しみ這いつくばりながらも必死に突き進んでいく姿には、多くの人が共感すると思いますし、私自身もいつかの自分を思いだして胸が苦しくなります。困難な道だとわかっていてもそこに挑んでいこうとする気持ちは、仕事をしていくうえでいつまでも失ってはいけないものですし、八虎のひたむきさには励まされる人が多いと思います。何かを成し遂げたいという人には、ぜひ読んでほしい1冊ですね」

『恋愛的瞬間』は少女漫画誌に連載されていた作品だが、男性にこそお薦めだという。

「吉野朔実(さくみ)さんの作品はあらかた読んでいますけど、私にとってはこれがベスト。大体の人間関係や男女についての悩みは、このなかに描かれています。心理学博士・森依四月(もりえしがつ)による友情や恋愛にまつわる解釈は、とにかく深い。読んでいると、周りの人との関係性を大事にしようと思わせてくれる作品ですね」

『違国日記』は、『HER』『さんかく窓の外側は夜』などの傑作を生みだしてきたヤマシタトモコの最新作。女性小説家である高代槙生(こうだいまきお)、両親を亡くした姪の田汲朝(たくみあさ)による、年の差20歳の同居生活を描いている。

「この作品は、人間ってどうやってもわかり合えないということを言葉を換えて繰り返し表現しています。それは一見残酷かもしれないけれど、他人とは決して100%理解し合うことはできないという覚悟を持つことは、生きていくうえでとても大切なことだと思いますし、それを再確認させてくれます」

生粋の漫画好きである宇垣さんは、漫画のキャラクターに理想の男性像を見ることはあるのだろうか。

「二次元で好きになるタイプの人は、現実には絶対いてほしくない(笑)。陰があって乱暴で、でも優しいみたいなキャラに惹かれたりもしますが、実際にいたらすごい面倒くさいはず。本当は作品中の当て馬的な立場の人が、現実ではいい男なんだよなぁ、なんて思っています」

人、仕事と向き合う名作漫画3選

■『恋愛的瞬間』(上)
吉野朔実
小学館 全3巻(文庫版)

対人関係のすべてが詰まった人生の指針にもなる作品
心理学博士・森依四月の恋愛クリニックを訪れる患者たちと、大学生ハルタの周辺で起こる人間模様を描いた連作集。「ドライでクール、なのにロマンティックという作品。普段は電子書籍で読む私も、これは単行本を揃えているほど大好き。’90年代の作品ですが全然古臭くない。この本を“履修”している人は、やるなって思います(笑)」

■『ブルーピリオド』(左)
山口つばさ
講談社 既刊8巻

好きなことを仕事にする幸せと難しさを再確認できる
勉強も友人関係もそつなくこなす高校生、矢口八虎の成長物語。ひょんなことから東京藝術大学を目指すことになるが……。「身を削り、自分と向き合って苦難を乗り越える主人公の姿には胸を打たれます。『好きなことをやるっていつでも楽しいって意味じゃないよ』という言葉は印象的で、仕事への向き合い方も考えさせられる作品です」

■『違国日記』(右)
ヤマシタトモコ
祥伝社 既刊6巻

わかり合えないことを訥々(とつとつ)と伝える“純文学”
両親を交通事故で亡くした中学生、田汲朝と、彼女を引き取った小説家の叔母、高代槙生とのふたり暮らしを丁寧に描く。マンガ大賞候補作に2019年、’20年と連続でノミネートされた。「これはもはや、“純文学”です。ヤマシタトモコさんは、ずっと読み続けてる漫画家のひとりで、余白の使い方や、目の感じが独特な作画も私好み」

 

Misato Ugaki

Misato Ugaki
1991年生まれ。2019年にTBSから独立し、フリーアナウンサーとして幅広く活躍。映画やアニメにも精通している。11月18日に自身初の美容本『宇垣美里のコスメ愛 BEAUTY BOOK』を発売予定。

ハイネックドレス¥51,000、ベアドレス¥58,000(ともにテラ/ティースクエア プレスルーム TEL:03-5770-7068)、リング¥31,000(e.m.表参道店 TEL:03-5785-0760)

TEXT=髙村将司

PHOTOGRAPH=三吉史高

STYLING=滝沢真奈

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