今回は二段グリーン攻略するためのの3つのポイントを紹介する。
二段グリーンは3パット以上のリスクがある
パー3のティーショットでグリーンオンするとほっと一息つきたくなるが、その後に罠が待っていることがある。
先日、一緒にラウンドした人が150ヤードほどのパー3で二段グリーンの下段にグリーンオンし、グリーン奥のピンまで約25mのパットを残した。
距離感を合わせて2パットでおさまれば十分という状況だったが、ファーストパットは5mほど大きくショート。セカンドバットは3mほどカップをオーバーし、返しの3打目も外して1mオーバー。
短い4打目のパットも外して、結局5パットとなってしまった。このように、距離のある二段グリーンのパッティングでは、油断すると3パットどころか、4パットや5パットになりかねない。
ただでさえロングパットは難しいが、上り傾斜の二段グリーンは距離感が合いづらいためファーストパットをカップに寄せることが難しい。
「とりあえず、できるだけカップに近づくように打ってみよう」などと漫然とファーストパットを打つと、次の長い距離のパットが残ってしまいがちだ。
二段グリーンのような難しい状況のときほど、事前の準備をしっかり行い、狙いを定めてプレーすることが大切だ。
仮想カップを決め、素振りで振り幅を確認
今回は上り傾斜の二段グリーンを攻略するために大切な3つのポイントを紹介しよう。
二段グリーンの下段から上段のカップに向かってパッティングする場合、上り傾斜でボールが減速するため、カップを狙って打つとボールが届かずに距離が残ってしまうパターンが多い。
そのため、上り傾斜による減速を計算して、カップの先に仮想カップを設定し、そこを狙ってボールを打つ必要がある。
カップのどれくらい先に仮想カップを想定するかは、傾斜や距離によって変わるので、状況の確認が欠かせない。
パッティングの際にラインや芝目を確認する人は多いと思うが、上り傾斜の二段グリーンの場合は、どのくらい上っている傾斜なのかを確認する必要がある。
ボールの後方から傾斜を確認するのではなく、カップとボールの中間地点でラインを横から見るようにして上り傾斜の度合いを確認するといいだろう。そのうえで、傾斜の大きさを考慮して仮想カップの位置を決める。
最後に大事になるのは、打つ前に素振りをすることだ。
上り傾斜の二段グリーンは通常より強く打たないとボールが転がらないため、普段のパッティングに比べて振り幅を大きくすることが必要。しかし、実際にボールを打つときになってオーバーするのが怖くなり、ストロークが緩んでしまうことがある。
体とメンタルをほぐすために、ボールの後ろで仮想カップまでのタッチをイメージしながら、実際のストロークよりも2割ほど大きく素振りをしてみよう。そうすることでインパクトが緩んでショートすることを防ぐことができる。
素振りをした後は、仮想カップにボールを寄せるイメージを持ったまま、思い切って打ってほしい。
上りの二段グリーンで一番避けるべきミスは、ショートして傾斜を上りきることができずにボールが戻ってしまうことだ。
オーバーするのが怖いかもしれないが、カップと同じ面からセカンドパットを打てるように強めに打つように心がけてほしい。
傾斜や距離を確認した後、仮想カップを決め、素振りで振り幅を決める。この3つのポイントを押さえれば、二段グリーンも攻略しやすくなるはずだ。
実際にボールを打つ前の動作をルーティン化して、上りの二段グリーンを攻略してほしい。
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◼️吉田洋一郎/Hiroichiro Yoshida
1978年北海道生まれ。ゴルフスイングコンサルタント。世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏を2度にわたって日本へ招聘し、一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』など著書多数。