今回は状況や攻め方に応じてウェッジを使い分ける方法を紹介する。
ランで寄せたいときは52度のウェッジ
グリーンを狙うショットでは、クラブの番手ごとにおおよその距離が決まっているが、アプローチショットでクラブを使い分ける方法がよくわからないという人は多い。
グリーン周りではどんな状況でもサンドウェッジ一択という人もいるが、クラブを使い分けることができれば、もっとアプローチショットがやさしくなる。
今回はグリーン周りのアプローチで頼りになる、ロフトが52度のウェッジの使い方を解説しよう。
52度のウェッジは、ピッチングウエッジとサンドウェッジの中間のクラブで、ギャップウエッジやアプローチウエッジ(AW)、ピッチングサンド(PS)など、さまざまな呼び名がある。
メーカーによって呼び名が異なるが、どれもほぼ性能は同じだ。
グリーン周りで多用されるサンドウェッジ(56度~58度)と52度のウェッジの違いは、サンドウェッジのほうがロフトがあるのでボールが上がりやすいことだ。
そのため、カップが近くボールを高く上げて止めたいときはサンドウェッジを使い、ボールを転がしてカップに寄せたいときに52度のウェッジを使うようにするといいだろう。
一般的に52度のウェッジで平らなグリーン面にボールを打つ場合、キャリーとランの比率は1:1だと言われている。
ちなみに、サンドウェッジの場合は2:1、ロフトの角度が44度から48度のピッチングウエッジは1:2の割合が目安になる。
52度のウェッジを使いこなすことができるようになれば、アプローチショットの選択肢が広がってスコアアップにつながるはずだ。
52度のウェッジを使用するのに適しているのは、キャリーとランの両方が必要になる状況だ。
グリーン手前の花道から、グリーンのセンターよりも奥のカップに寄せたいという状況では、52度のウェッジを選択してキャリーとランを両方使って攻めるといいだろう。
例えば、距離が40ヤードでグリーンが平らな状況の場合、キャリーとランを1:1にするために、20ヤードの地点にボールをキャリーさせるようにする。
同じ距離でグリーンが上り傾斜の場合は20ヤード地点よりも奥め、下り傾斜の場合は手前にキャリーさせるように、傾斜によってボールをキャリーさせる位置を調整をして打ち分けてほしい。
52度のウェッジを使う際、サンドウェッジと打ち方が大きく変わるわけではない。アドレスではボールをスタンスのセンターよりも少し左寄りに置き、若干ハンドファーストにする。
あまりハンドファーストを意識しすぎると、クラブが鋭角に下りてきてボールにバックスピンがかかり過ぎるので気をつけてほしい。
手首を使わず、浅い入射角の軌道でクラブを下ろすことでバウンスが使いやすくなり、多少ダフってもボールを運んでくれる。もちろん、手や腕でクラブを振ってしまうとミスの原因になるので、体と腕をシンクロさせて体の回転でクラブを振ることが大切だ。
52度のウェッジを上手に打てるようになればアプローチが今よりやさしくなり、攻め方の幅も広がるはずだ。ぜひ練習して打ち方や距離感をマスターしてほしい。
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◼️吉田洋一郎/Hiroichiro Yoshida
1978年北海道生まれ。ゴルフスイングコンサルタント。世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏を2度にわたって日本へ招聘し、一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』など著書多数。