GOLF

2024.07.27

プロと体格の違うアマが見習うべきは、シニアNO.1のノーコック・アプローチ法だ

今回は、2023年の年間王者に輝いたスティーブ・ストリッカーのようなノーコックアプローチで寄せる方法を紹介する。

アプローチの名手、ストリッカーはノーコック

米国シニアツアーのPGAツアーチャンピオンズの選手たちは、長年培ってきたアプローチやパッティングといった技術に長けており、アマチュアゴルファーにとってスコアメイクの参考になる。

もちろん、プロの技を簡単に真似することはできないが、PGAツアー選手のように力でねじ伏せるようなプレーが少ないため、「今度は自分もやってみよう」と思えるプレーが多い。

そこで参考にしたいのが、PGAツアーチャンピオンズで2023年に圧倒的な強さを見せたスティーブ・ストリッカーだ。2023年は5つあるシニアメジャーのうち3勝を挙げ、圧倒的な強さで年間王者になった。

2024年はメジャートーナメントで優勝争いに加わるものの勝ち切れず、優勝もまだない状態だが、残りのシーズンで巻き返しを見せてくれることだろう。

ストリッカーのプレースタイルは正確なショットに加え、アプローチやパッティングも素晴らしく弱点がない。

特にアプローチの名手と呼ばれており、100ヤード前後の距離をワンピン以内にピタりと寄せるウェッジショットや、グリーン周りからのチップインなどで観客を魅了する。

ストリッカーはグリーン外のピンチの状況をチャンスに変えることができるプレーヤーと言えるだろう。

ストリッカーのアプローチショットの特徴は、ほとんど手首を使わずにノーコックで打つことだ。

アプローチではコッキングをして手首を柔らかく使う打ち方もあるが、ストリッカーは手首を使わないため入射角が安定しており、状況に合わせてスピン量を自由自在にコントロールしている。

アプローチのミスが多く、うまく距離を合わせられないという人はノーコックアプローチを試してみるといいだろう。

体とクラブを一体化して距離を合わせる

ノーコックアプローチで打つメリットは、体とクラブの運動量が同じになるので、振り幅を調整しやすいことだ。また、手首を動かさないので、すくい打ちなどの悪い癖が出にくいというメリットもある。

アマチュアゴルファーにとって、手首を使うアプローチはヘッドが走りやすいため距離感を合わせることが難しい。

特に、バックスイングで手首を使うとクラブが大きく上がり、インパクトで減速するような打ち方になりやすい。インパクトが緩んでしまうと、トップやダフリが出るため、距離感以前に打点が安定しない可能性がある。

その点、ノーコックアプローチはバックスイングが大きくなるのを防ぎやすいため、インパクトの緩みを防いでくれる。

今回は、ストリッカーのようなノーコックアプローチで寄せる方法を紹介しよう。

ノーコックアプローチのポイントは2つある。1つ目はノーコックアプローチという名前のとおり、手首を動かさないことだ。

アドレスでできた手首の形を変えないように、スイング中はクラブと左腕が一直線のままボールを打つように意識してほしい。

クラブと腕の一体感を出すために、パッティングのように手のひらで握るパームグリップで握ってもいい。パッティングのように肩の回転でストロークのような感覚でクラブを振るのもいいだろう。

もう1つのポイントは、おへそを意識してフォロースルーで体を回転させることだ。

パッティングのように肩の回転だけでクラブを動かそうとすると振り幅が小さくなる。そこに下半身の動きを加えることで、体の回転量が増えて振り幅を大きくすることができる。

おへそを目標方向に向けるイメージで下半身を積極的に動かすことによって、手首を使わずに体の回転でクラブを振ることができるようになる。

体の回転の速さを一定にし、振り幅でボールが飛ぶ距離をコントロールできるようになるため、距離感を合わせやすくなるのだ。

体と腕を同調させ、体の動きでクラブをコントロールする動きは、他のショットやパッティングのスキルにおいても重要だ。

ノーコックアプローチを身につけることで、プレー全体に良い影響を及ぼし、リズムの良いプレーができるようになるだろう。アプローチに悩んでいる人はノーコックアプローチを試してみてほしい。

動画解説はコチラ

◼️吉田洋一郎/Hiroichiro Yoshida
1978年北海道生まれ。ゴルフスイングコンサルタント。世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏を2度にわたって日本へ招聘し、一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』など著書多数。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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