今回はルックアップパットを取り入れた、パッティングの距離感の磨き方を紹介する。【連載・吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】。
ボールを見なくてもパッティングはできる
通常のパッティングでは、カップからボールまでの距離を確認し、素振りなどで振り幅を確認した後、アドレスをしてボールを見ながらストロークをする。
このときにボールの行方を確認しようとすぐに顔をあげてしまう「ヘッドアップ」をするとミスしやすいため、ヘッドアップはNGな動作と言われている。
しかし、ヘッドアップをするどころか、最初からカップの方を見たままボールを見ずにパッティングをする人もいる。
実際にPGAツアーのジョーダン・スピースや、米シニアのチャンピオンズツアーで活躍するポール・ブロードハーストといった選手はパッティングの際に目標を見ながら打つ。
野球やバスケットボール、サッカーといった球技は、ボールを見ずに目標を見ながらボールを投げたり蹴ったりする。むしろ、じっとボールを見たまま打つゴルフのようなスポーツは少数派だといえる。
ゴルフにおいても目標を見ながら打つことで、目から入ってきた情報を手などの末端部分に伝える「ハンド・アイ・コーディネーション」によって、目標までの距離を正確に把握しながらプレーすることができるのだ。
ストロークに自信のないアマチュアゴルファーには難しく感じるかもしれないが、カップを意識して打ったほうが距離を合わせやすくなるので試してみてほしい。
ボールをじっと見て打ち方を考え過ぎてしまったり、手や腕に力が入ってガチガチになってしまう人は、ボールを見ずに目標を見ながら打ったほうがスムーズに動けるかもしれない。
ルックアップで距離感や打ち出しのイメージを身につける
ボールを見ずにストロークをすることは不安に感じると思うが、まずはパッティング練習で目標を見ながら行う「ルックアップパット」を取り入れて、距離感を磨いてみてはどうだろうか。
この練習では、アドレスはいつもと同じに構え、2、3mの距離を目標を見ながらストロークする。
いきなりボールを打つのは不安だと思うので、ボールを打つ前に目標を見ながら何度か素振りしてみるといいだろう。
ボールを見ずにパッティングをする経験はほとんどないと思うが、ボールを見なくても意外に打てるということに驚くかもしれない。
カップを見ながら打つことで、打ち出しのボールの転がり具合やスピードも確認できるため、ストロークの大きさとボールの転がり方のイメージが合わせやすくなる。
ターゲットやボールの転がりに集中し、振り幅やテンポを調整しながら距離感を合わせることを第一に練習をしてみてほしい。慣れてきたら5m、10mと距離を伸ばしてみるといいだろう。
今までパッティングの際に打ち方ばかりを考えていた人は、目標を見ながらボールの転がりをイメージすることで、手でボールを転がすときのように細かい打ち方を考えなくてすむようになる。
ボールを打つ前に腕や肩に力が入ることも減り、自然なストロークが身につくはずだ。
距離感が合わない人や、パッティングの打ち方を考えすぎてしまって体が硬くなってしまう人はルックアップを練習で試してみてほしい。しっくりくるようなら、実際のラウンドでも試してみてもいいだろう。
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■連載・吉田洋一郎の最新ゴルフレッスンとは
世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。