今回は林から脱出するときの思考法と打ち方について。連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】。
自信がなければ安全策を
コース内に大きな木々がある林間コースでは、OBやハザードは少ないものの、ショットを打つときに木が目に入りプレッシャーがかかるものだ。
特にティーショットでは、左右にボールを曲げると林から脱出しなければいけない状況になるため、いつもよりもフェアウェイが狭く見えることがある。
林の中に打ち込みたくないと思っていても、不思議とボールが吸い込まれてしまうこともあるが、その後のショットをどう考えるかでスコアが大きく変わる。
林にボールが入った時に一番安全に脱出する方法は、広く空間があいているエリアを選んで、フェアウェイまでボールを出すことだ。
しかし、少しでも目標方向に狙えるエリアがあれば、グリーン方向にボールを打ちたくなると思うが、チャレンジと無謀は紙一重。狭い空間を狙う場合は、自分の実力で成功するのかを冷静に見極めてほしい。
木に当ててもう一度林の中から打つことになると傷口を広げてしまうため、自信がなければ潔くあきらめて安全策を選択するほうが賢明といえる。
遠回りのように見えても、次のショットをフェアウエイから打った方が、結果的に傷口が浅かったということはよくあることだ。
フォロースルーをおさえて低く打ち出す
林からは安全策を取るのかチャレンジするのか。どちらを選ぶにしても、打ち方がわからなければ良い結果は望めない。林の中でボールを打つ時のポイントについて解説しよう。
林から安全に脱出してフェアウェイに出したい状況では、確実にボールにコンタクトすることが大切になる。7番アイアン前後のロフトが立ったクラブを短く持ち、アプローチショットのように打つのがお薦めだ。
アドレスではボールを真ん中よりも右に置いて、腰から下の振り幅でコンパクトに振る。落としどころやランを計算して、次に打ちやすい場所にボールを運べるように、番手や振り幅を考えてシンプルに脱出するようにしたい。
林の中に入っても、運よくグリーン方向が空いている場合もある。その場合は目標方向を狙ってもいいが、ボールを通すことができるエリアは限定されることが多い。
高低の打ち分けだけではなく、球を左右に曲げるショットを打つ必要がある場合もあるため、難易度が高くなる。そのようなショットを打つ自信がないときは、無理をせずに安全策を選ぶべきだ。
打てるか不安な時は、たいてい自分の技量が足りていないことが多いので、無理に目標方向を狙わずに安全に横にボールを出したほうがいい。
だが、マッチプレーやベストスコアがかかっているなど勝負をしなければいけない時もある。そのようなときはある程度失敗を覚悟のうえで勝負に出てもいいだろう。
林の中では様々なボールを打つことが要求されるが、その中でも低い球を打つ機会は多いだろう。低い球を打つ場合は、ボールをセンターよりも右側にくるようにアドレスをして、フォロースルーを低くおさえてスイングをする。
フルスイングの半分程度の力感と振り幅をイメージして、コンパクトに振るようにしてほしい。使用するクラブはロフトの立ったアイアンを選ぶのがセオリーだが、状況によってはユーティリティーやフェアウエイウッドを使用してもいいだろう。
林からの脱出では、ライや周囲の状況、自分の実力などを冷静に判断して、適切に対応してほしい。
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■連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは
世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。