完成品が「答え」であるなら、スケッチや草稿は、そこにいたるまでの「思考」である。偉大な芸術家や作家が残した習作や手稿が、完成作とは別の価値を持つのはそのためだ。何を描こうとし、どこで迷い、何を削ったのか。そこには、創造のプロセスが刻まれている。

名作の軌跡を纏う、名品シューズとスカーフ
ベルルッティが『星の王子さま』とのスペシャルコレクションで着目したのも、まさに“途中”だ。
着想源となったのはアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリが創作の過程で描いたデッサンや、手紙に残した落書き。そこに物語を象徴するモチーフを見いだし、メゾンが誇る職人技で新たな姿を与えた。
なかでも名靴「アレッサンドロ」には絆の尊さを示すバラを「ソット・ペッレ」という技法で表現し、物語とクラフツマンシップが交差する1足に。完成へいたる時間さえ、ものづくりの一部と捉える。
創作の痕跡と職人技が響き合い、新たな価値へと結実した。その共鳴にこそ、両者が出会う必然がある。
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