経年変化の味わいはもちろんのこと、アイテムの歴史やオーナーの癖を刻んだ「一点モノ」は、着こなしに豊かな奥行きを添え、パワフルな魅力を放つ。デニム編。人気スタイリスト・野口強による連載「The character of G」。
1.1940's リーバイス517XX|デニムの普遍的な魅力を存分に堪能できる1着
通称「セカンド」といわれるデニムジャケットのブランケットモデル。インディゴの色合いも濃く、タグのパッチは剥がれているものの、ブランケットのボーダーの色合いも褪せておらずコンディションは極めて良好。大きめのサイズがこの状態で残っているのも極めて珍しい。
2.1960's リー|すぎ去った時代に思いを馳せるひとときを
デニムがファッションとして認知されるようになった1960年代のカバーオール。随所にある色ムラはワッペンが貼ってあったものとみられ、形や糸目の跡などから痕跡を想像するのも楽しい。
3.1930's リーバイス506XX|すべてのデニムジャケットはこのモデルから始まった
デニムジャケットの原点であるリーバイス「ファースト」のノンウォッシュ、サイズ44。インディゴの色合いをはじめ、フロントの2プリーツ、片ポケットなどのディテールが普遍的な輝きを放つ。
4.1940's リー「カウボーイ」|ヴィンテージは当時の社会情勢を刻む歴史の証言者
リーの101大戦モデルは、鉄製リベットやヒップポケットのステッチ廃止など、物資統制当時ならではのディテールがポイント。プロダクトに社会情勢が反映されているのもヴィンテージならでは。
5.1940's リーバイスS501XX|オーナーのライフスタイルが色濃く残る大戦モデル
同じく物資統制の影響を受けたリーバイスの大戦モデルは、ワークウェアの矜持を貫いたストーリーもあり、特にファンが多い希少モデル。こちらは、右のヒップ下にマッチの擦り跡が残る1本。