大人になって何かにハマったり、何かを習うことは、刺激的で日常を鮮やかに彩るもの。もしかしたら生き方がガラッと変わるかもしれない! これから始めたい趣味、嗜みを、その道のプロから最上&最新の品とともに教わる。今回は「デニム」を学ぶ。 【特集 人生を変える最強レッスン】
アートピースでなくリアルに着るものを選ぶ
盛り上がりをみせるヴィンテージ市場。そのなかで手に入れるべき1本とは? 『THE501® XX A COLLECTION OF VINTAGE JEANS』の執筆をはじめ、日本のみならず世界でのヴィンテージデニム人気の火つけ役であるベルベルジンの藤原裕氏が教えてくれた。
「今注目されているのは、Gジャンです。ここ5年ほどで倍以上に価値が上がっていて、今後もさらに上がっていくことでしょう。なかでも1944年頃に製造された大戦モデルに価値があるとされているのは、リアルに着ることができるからに他なりません。1800年代のものも価値はあるのですが、着心地までを鑑みると、どうしてもアートピースの側面が強いんです」
大戦下の物資不足により簡素化された大戦モデルは、特徴的なデザインを持つという点で、ファッションとしても歴史的にも最上の選択肢のひとつといえるだろう。
「デニムパンツならやはり501®。なかでもワンウォッシュのモデルは、最初の1本にぴったりです。1度しか洗っていないものなので、“育てる楽しみ”を味わえる。そのなかでも66前期のビッグEがいいと思います。数の少ない市場のなかでも比較的手に入れやすいので、自分に合ったゴールデンサイズを見つけるのも楽しい」
いわゆる“育てる”際にうってつけの作業もあるのだそう。
「ワンサイズ上のもので一度洗い、再度糊づけをすることを薦めています。縮むことで自分に合うサイズになり、ベストなヒゲやアタリを追求できる。つまり、自身に最も合うヴィンテージデニムをつくれるんです」
藤原裕氏おすすめのヴィンテージデニム2選
1.Levis® 501 ビッグE 1960s
66前期の501®のなかでも、濃紺のワンウォッシュは希少。ヴィンテージならではの風合いと経年変化の両方を楽しむことができるゆえ、探しだして手に入れたい。
2.Levis® S506XX 通称1st大戦モデル
フラップなしのポケットや4つボタンなど、大戦モデルを象徴する簡素化されたディテール。数年で数倍に価値が上がっており、資産価値としても格別なGジャンだ。
この記事はGOETHE 2024年10月号「総力特集:人生を変える最強レッスン」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら