連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」。第24回目は、寡黙にして揺るぎない哲学を貫く孤高の職人、ノブ イケグチの哲学に迫る。
シンプルゆえの繊細さ、30年の時を経てたどりついた境地
デザイナーでありながら、職人として。留め具のパーツまで細部まで徹底して手作業で作る池口泰信氏がジュエリーブランド、ファンタスティックマンを経てノブ イケグチと自身の名を冠し再始動したのも、その矜持を誇示するため。「思い描く形を具現化するには、必然的に手作業になります」
池口氏のジュエリーは、その手作業を経て描きだされる曲線美が高い評価を得ている。そもそもは、インディアンジュエリーが原点。今も面影を残すが、スタイルは枠に捉われない。スーツにも革ジャンにも合う造形は普遍的だ。
「服の好みが変わっても、ジュエリーの好みは不変という人は多いはず。スタイルにも時代にも左右されないジュエリーを追い求めた結果、今にたどりついたんです」。
時代を問わず着用できるノブ イケグチのジュエリーは、人生に寄り添ってくれる。
■連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」とは……
時にファッションとして、時にシンボルとして、またはアートに……。ジュエリーを身につける理由は、実にさまざまだ。だが、そのどれもがアイデンティティの表明であり、身につけた日々は、つまり人生の足跡。そんな価値あるジュエリーを紹介する。