連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」。第21回は、伝統と革新を繰り返すヴァン クリーフ&アーペル。
繊細にして印象深い、シンプルななかに存在する精神性
言わずと知れた世界5大ジュエラー。創業は1906年のパリ。さまざまなコレクションを生みだすなか、2008年に誕生したのが「ペルレ コレクション」だ。
特徴は、繊細なゴールドビーズのデザイン。小さな粒が連なる姿は、シンプルにして実に多彩な表情を見せる。素材によって、貴石との組み合わせによって、ゴールドビーズはゴージャスにもポップにもなる。
腕に纏ったのは、イエローゴールド、ローズゴールド×ダイヤモンド、ホワイトゴールド×ダイヤモンドのリングとブレスレット。どれほど重ね着けをしても上品で、品格ある姿に見せてくれる。
飾る、魅せるではなく、愛でるという楽しみ方
1950年に発表された「ラ ブティック コレクション」。動物の愛らしい姿をジュエリーへと落としこむ提案は当時大きな話題を呼んだ。その遊び心は現在「ラッキー アニマルズ コレクション」にて引き継がれ、胸に飾るクリップではカエルが象(かたど)られた。
18Kイエローゴールドにビーズの縁取りが施され、美しいグリーンにはマラカイト、ホワイトにはマザー オブ パール、さらに瞳にはオニキスがあしらわれる。
そんなコレクションとともに、メゾンの伝統を受け継ぐのが「ゾディアック コレクション」。’50年代以降12星座をテーマに、メダルやチャームで表現。18Kイエローゴールドのメダルに刻まれた射手座のデザインは、お守りのような存在となってくれるはず。
■連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」とは……
時にファッションとして、時にシンボルとして、またはアートに……。ジュエリーを身につける理由は、実にさまざまだ。だが、そのどれもがアイデンティティの表明であり、身につけた日々は、つまり人生の足跡。そんな価値あるジュエリーを紹介する。