惜しまれつつもこの世を去ったミステリー界の巨匠、東野圭吾氏。その代表作のひとつにして、シリーズ累計発行部数185万部超えのベストセラー『白鳥とコウモリ』が豪華キャストによって実写映画化。

本来は敵対する相手が戦友のような存在になる
東京在住の弁護士殺害事件で容疑者として挙がったのは、愛知県に住む初老の男性。彼の自供により早々と事件は解決したかに見えたが、容疑者の息子・和真と被害者の娘・美令は、供述書に綴られた互いの父の言動に違和感を抱き、真相を探るべく手を取り合う──。
信じていた父を疑い、時に戸惑い、時に傷つきながらも、真実を求めてまっすぐに突き進むという難役を熱演したのは、人気・実力を兼ね備える松村北斗と今田美桜のふたり。作品について、「『白鳥とコウモリ』は、人の想いが生みだすミステリー。東野さんの他の小説とは雰囲気がちょっと違っていて、その世界観に関われるのは嬉しかったですね」と松村が語れば、「ストーリーの展開が面白く、原作を読んで没入しました。他人の意見に流されずに自分を貫き通せる美令は、凜としていて、とても魅力的な女性。演じるのがとても楽しみでした」と、今田もオファーされた際の喜びを口にする。
出演作が引きも切らないふたりだが、意外にも共演するのは今回が初めてだ。
「仕事人というイメージがあって、シャキッとしているのかなと思っていました。実際はとてもソフトな方で、今田さんがいらっしゃるとその場に穏やかな空気が流れます」(松村)
「現場では物静かな方という先入観があったのですが、気さくに話しかけてくださるし、笑顔もたくさん見せてくださって。ホッとしました(笑)」(今田)

SixTONES・俳優。1995年静岡県生まれ。2020年、SixTONESとしてCDデビューし、俳優としても活躍。高い演技力が評価されている。2025年公開の映画『秒速5センチメートル』や現在放映中のドラマ『告白─25年目の秘密─』などに主演。
真実を探るなかで徐々に見えてくる互いの父の過去、そして、新たな事実。そのたびに和真と美令の心は揺らぎ、関係性に変化が生じていく。ふたりについて松村は、「美令は本来敵対する相手だけど、ある意味、和真の唯一の理解者。かけがえのない戦友なのだと思います」と指摘し、今田は「同じ遺族でも美令と母の想いは違いますし、弁護士さんや刑事さんにも理解してもらえない。そんななか、和真との出会いは、孤独を感じている美令にとって救いだったのではないでしょうか」と分析する。
「ふたりが自分の父親について語り合うシーンがあるんですが、僕はあそこが一番印象に残っているんですよね。相手が知らない人の話をするのは、一種の賭け。まったく興味を持ってもらえないか、その人のことを知ろうとしてくれるかだと思いますが、和真も美令も後者だった。演者としてだけでなく、ひとりの観客としても心を動かされました」(松村)
「私も、あのシーンは好きですね。それまで容疑者と被害者の子として事件の照らし合わせをしていたふたりが、ただの息子と娘になった気がして」(今田)
今年、松村は31歳、今田は29歳になった。年を重ねるなかで仕事観に変化はあったのだろうか。
「20代は、仕事の充実=人生の充実だと思っていて、毎日でも仕事をしていたかった。でも今は、もう少し生活を楽しみたいという気にもなっています。アウトプットするにはインプットも必要ですから」(松村)
「これまで無我夢中でしたが、やっと最近自分のペースが摑めるようになってきました。30代は、お仕事はもちろん自分の時間も楽しみたいですね。プライベートの充実がお仕事にも生きる気がしますし、お仕事を全力でやってこそプライベートが楽しめると思うので」(今田)
奇しくも同じ答えが返ってくるあたり、やはり“最強のバディ”だ。

俳優。1997年福岡県生まれ。NHK連続テレビ小説『あんぱん』をはじめ、数多くの話題作に出演。ドラマ『クロスロード~救命救急の約束〜』が放送中。ダブル主演を務める日韓共同制作ドラマ『メリーベリーラブ』が2026年10月より放送。
『白鳥とコウモリ』
「私がやりました。“すべての事件”の犯人は私です」という犯人の自供から始まるミステリーはどんでん返しの連続。罪と罰の意味や人の心とは何かを考えさせられる一方、息をもつかせぬ展開のなかに人の切なさ、優しさが繊細に描かれ、心に温かな余韻が漂う。感情の機微を丁寧に表現した主演のふたりとともに、脇を固める豪華俳優陣の演技も光る。
原作:東野圭吾『白鳥とコウモリ』(幻冬舎文庫)
監督:岸善幸
脚本:向井康介
出演:松村北斗、今田美桜、柄本 佑、中村芝翫、三浦友和ほか
2026年9月4日(金)より全国公開
公式サイトはこちら
衣装クレジット|松村:ジャケット¥189,200、Tシャツ¥52,800 (ともにアワー レガシー/エドストローム オフィス TEL:03-6427-5901) 今田:ドレス¥85,800(カナコサカイ info@kanakosakai.com)

