CAR

2026.01.31

元暴走族総長の落語家・瀧川鯉斗が試乗! BMW R 1300 GSアドベンチャー“AT仕様”――「自分で操るみたいにギアが入る」

元暴走族総長という異色の経歴を持ち、いまは真打として高座に立つ落語家・瀧川鯉斗。愛機はBMW R 1250 GS。そんな鯉斗師匠が、BMWのフラッグシップR 1300 GSアドベンチャーの“AT仕様”を試した。

瀧川鯉斗/Koito Takigawa
1984年愛知県生まれ。噺家。古典落語に取組み高い評価を得ている真打。寄席や独演会など落語家としての本業以外にも、バラエティ番組出演、ファッション誌のモデル、俳優業など幅広く活動。現在はブラジリアン柔術にも熱を注ぐ、BMW R 1250 GS乗り。

先入観がほどける――「デカい」のに、軽い

BMWのGSは、1980年のR80G/Sに始まる“旅するアドベンチャー”の系譜。オンとオフを横断する万能性で支持を広げ、いまや2輪界のキング・オブ・アドベンチャーとも呼ばれる存在だ。

その頂点に立つフラッグシップがR 1300 GSアドベンチャー。30ℓの大容量タンクに先進のライディングアシスト、そして話題のASA(オートメイテッド・シフト・アシスタント)まで搭載し、装備も体格も“全部盛り”。価格は340万9000円から。シート越しに見えるタンクの存在感は、想像以上だ。――が、跨った瞬間、鯉斗師匠の表情が変わる。

「もはや新型の見た目はガンダムにしか見えないんですけど(笑)。……こんなに取り回しは軽いのかと正直驚きました」

巨大に見えるのに、取り回しが軽い。そのギャップを作っているのが、アダプティブ車高制御だ。停車時は足つきがよく、走り出すと自然に車高が戻る。“デカいのに扱いやすい”は、気合いではなく仕組みでできているのだ。

距離が伸びるほど「旅の器」が見えてくる

目的地は長野・白馬。都心を抜け、景色がコンクリートから緑へ切り替わる。普段はR 1250 GSのオーナーだからこそ、白馬までの約270kmが“試金石”になった。

「白馬までの距離って、バイクの性能を全部知れるくらい、ちょうどいい。あらためて、もっと遠くまで全然行けるバイクだなって実感しました」

遠くへ行くほど、余裕がものをいう。疲れにくさは“快適装備が多いから”だけじゃない。最後まで気持ちを切らさず走れる余裕の操縦能と、グランドツアラーとしての資質も備えた快適性能。それこそがGSが“旅の器”と呼ばれる理由だ。

電子制御をフル装備。前方車との車間距離を一定に保つよう自動で車速をコントロールし、追従する「アクティブクルーズコントロール」ほか、障害物を検知したらアラート&ブレーキサポート機能も新たに装備。

ASAの正体

今回の主役はASA。クラッチ操作なしで変速でき、D(自動変速)とM(シフトペダル主体)を状況に合わせて選べる。必要なら、右足のキックペダル操作で介入もできる。鯉斗師匠の言葉がいちばん端的だ。

「走行がものすごくラクでした。ATなのに、まるで自分がMTで操作しているみたいにギヤが入ってくれる。だから快適で、走りやすい。しかも低速域の渋滞や高速路でも、とにかくスムーズ。本当に自分が操ってるみたいでした」

ラク=退屈、ではないと鯉斗。続けて、負担が減るぶん、路面とライン取りに意識を残せる。ストップ&ゴーのうーんと遅い場面ではフットブレーキを併用しながら、荒れた路面でもトラクションはしっかりかかるし、Uターンのようなシビアな場面でも慣れると安心感が残ったという。

BMW R 1300 GSアドベンチャー。1.3ℓの新型ボクサーエンジンと30ℓタンクを核に、アダプティブ車高制御やASA(クラッチ操作不要の変速)で“旅の余裕”を底上げするフラッグシップ。先進アシストが疲労を減らし、オンも荒れた路面も軽快。

そして、元総長ならではの“クセ”も出る。

「元”族”としては、たまにアクセルを煽って気合いを入れたいこともある(笑)。でもASA仕様で走行中にエンジンを吹かすには、クラッチレバーがないのでニュートラルへの操作がやっかいでして、諦めました」

その代わり走りはずっとラクで、集中が切れないと鯉斗。

「クラッチレスを“恥ずかしがる”必要はないですし、むしろ最新機構に跨がれるステータス性がある。気にするのは外野ではなく、自分の気持ちくらいだと思います、押忍」

ワクワクを広げるアドベンチャーの覚悟

足まわりの質感も、体感でわかりやすい。

「新型ではさらにハンドリングがスムーズになってる気がしました。段差を走ると、衝撃がかなり軽減されているのを感じました」

そして、もうひとつの効きどころが、大容量の30ℓタンク。

「アドベンチャーモデルのほうが、圧倒的にタンク容量は大きいので、ぼくのR 1250 GSと連なってのツーリングだと、燃料を入れるタイミングが違うのをまざまざと実感しましたね(笑)」

伝家のボクサーエンジンは歴代最高を誇る1300cc、最高出力145PS(107kW)、最大トルク149Nm。航続距離はおよそ612kmとされる。

噺家の仕事は、言葉を詰め込むことじゃない。余計な力を抜いて、間を作り、聞き手を前に運ぶこと。R 1300 GS アドベンチャーのASAも、まさにそれに似ている――クラッチ操作という“雑音”を消して、走りに集中できる間を残す。結局、他人の目は関係ない。クラッチがあるかどうかじゃなく、走りが楽しいかどうか。白馬まで走って答えが出た。

BMW R 1300 GSアドベンチャー
ボディサイズ:全長2280mm×全幅1560mm×全幅1012mm(ミラー含まず)
ホイールベース:1534mm 
シート高:840/890mm
車両重量:284kg
エンジン:1300cc 水冷4ストローク水平対向2気筒
最高出力:107kW(145PS)/ 7750rpm
最大トルク:149Nm / 6500rpm
変速機:6速AT(ASA)
燃料タンク容量:30ℓ
燃費:20.4km/リッター(WMTCモード)
¥3,409,000〜

問い合わせ
BMW R 1300 GS https://www.bmw-motorrad.jp/ja/models/adventure/r1300gs.html

DIRECTION=ダニエル利樹(c3ec-creations)

PHOTOGRAPH=西條 聡(HAKUSAN WORKS)

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