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2023.06.27

レクサスの“超クール”なアウトドア車を知ってる?

いま、話題になっているのが、レクサスの「OVERTRAIL PROJECT」のコンセプトカーだ。このブランドは、なぜSUVのカスタマイズに熱心なのだろうか? 連載「クルマの最旬学」とは……

レクサス「OVERTRAIL PROJECT」

自然に親しみ、環境問題を考える

「レクサスのアウトドア車が格好いい」という声を何度か耳にした。レクサスのアウトドア車ってなに? と思われる方も多いと思うけれど、これは同ブランドの「OVERTRAIL PROJECT」の一環として開発したコンセプトカーを指す。

レクサスはカーボンニュートラル社会の実現に向けて、当然ながらハイブリッド車や電気自動車を開発している。いっぽうで、自然と親しむことで環境問題を考えるというアプローチも行っている。アウトドアライフを充実させるクルマを提案することは、自然を楽しむことにつながり、そこから環境への意識を高めたいというのが「OVERTRAIL PROJECT」なのだ。

ちなみに「OVERTRAIL」とは、陸路を意味するOVERLANDと、未舗装路を意味するTRAILを組み合わせたレクサスの造語。このプロジェクトから生まれたコンセプトカーは、まず2023年1月に開催された「TOKYO OUTDOOR SHOW2023」でお披露目された。モーターショーなどのクルマ関連の催し物ではなく、アウトドアのエキシビションを選んだ点が興味深い。

そしてこの5月の行楽シーズン、コンセプトカーは愛知、長野、静岡のアウトドアやクルマ関連のイベントで展示され、それで「レクサスのアウトドア車が格好いい」という声が聞かれるようになったのだ。

レクサス「OVERTRAIL PROJECT」

「RX OUTDOOR CONCEPT」は、上質で楽しいアウトドアライフスタイルと、カスタマイズや走りの楽しさの両立を追求したコンセプトモデルだ。

まず紹介するのは、レクサスRX450h+をベースに開発した「RX OUTDOOR CONCEPT」。レクサスのモデル名では、「h」がハイブリッド車であることを示し、さらに「+」が付くと、プラグインハイブリッド(PHEV)ということになる。

レクサス「OVERTRAIL PROJECT」

自然と調和したアースカラーで、マットでありながら金属の質感も表現した「Regolith」というボディカラーにもこだわっている。

PHEVだからそもそも燃費は良好で、また満充電の状態であれば83kmのEV走行も可能だ。たとえばキャンプ場に向かう時、高速道路ではなるべく電気を蓄えて、静かな湖畔の森の中に入ったらEV走行に切り替える、という使い方も想定できる。

しかも4輪駆動だから多少の悪路やゲリラ豪雨に遭遇しても安心だし、タイヤを換えれば雪道でも問題ない。

レクサス「OVERTRAIL PROJECT」

アルミ製のプレート、LEDライト、KCライトなどの専用デザインによって、新しい時代のアウトドア車を表現している。

ルーフトップテントを装備することで、オートキャンプ場に到着したらテントを設置しなくてもキャンプができる仕様になっているのもポイント。テントの設営と撤収は、意外と手間なのだ。

レクサス「OVERTRAIL PROJECT」

ルーフトップテントを閉じれば、このようにすっきりスマートに収納することができる。

アウトドアでも、ラグジュアリーな時間を過ごす

レクサス「OVERTRAIL PROJECT」

レクサスGXは主に北米で販売される車種で、日本への導入はなかった。2023年6月に発表された新型レクサスGXは、日本導入の可能性があるという。

続いて紹介するのが、レクサスGX460をベースに開発された「GX OUTDOOR CONCEPT(JAPAN STYLE)」。レクサスGXはこれまで日本に導入されてこなかったSUVで、簡単に説明するとトヨタ・ランドクルーザー・プラドのレクサス版ということになる。

2023年6月8日に新型レクサスGXが発表されたので、このコンセプトカーはすでに従来型という位置づけになるけれど、そんなことは気にならないほどの存在感を放っている。

レクサス「OVERTRAIL PROJECT」

排気量4.6ℓのV型8気筒エンジンと、4輪駆動の組み合わせで、過酷な環境下でも快適に力強く走ることができる。

「GX OUTDOOR CONCEPT(JAPAN STYLE)」のテーマは、過酷な環境下における本格的なアウトドア体験を提案する、というもの。専用の装備とギアを搭載し、さらに日本の使用環境に合わせてカスタマイズしたという。

レクサス「OVERTRAIL PROJECT」

アウトドアをラグジュアリーに楽しむための、さまざまなギアやアイテムを満載している。

しかもレクサスというブランドらしく、過酷な環境の遠く離れた目的地までラグジュアリーな旅を楽しむことができることも、コンセプトのひとつとのことだ。

参考までに、発表されたばかりの新型レクサスGXの画像も掲載しておきたい。

こちらが発表されたばかりの新型レクサスGX。早速、世界中で「Cool!」「カッコいい」という声が上がっている。

こちらが発表されたばかりの新型レクサスGX。早速、世界中で「Cool!」「カッコいい」という声が上がっている。

レクサス「OVERTRAIL PROJECT」

「ROV CONCEPT 2」は、「RX OUTDOOR CONCEPT」と同じく「Regolith」というボディカラーを採用している。このカラーは、天体の表面に積もった微細な粒子から着想を得たものだという。

最後に紹介するのが、「ROV CONCEPT 2」。ROVとはRecreational Off highway Vehicleの略。オフローダーでも行けない過酷な場所に踏み込み、自然とふれあい、自然と共生することを目指すコンセプトカーだ。
ポイントは水素エンジンを搭載していること。カーボンニュートラルと、エンジンの鼓動やサウンドを楽しむことの両立を図っている。

モデル名に「2」とあることからわかるように初代モデルも存在しており、そちらは2022年の東京オートサロンに出展されている。初代モデルからの変更点はリアの水素タンクの位置をより低くすることで低重心化を図ったことと、アルミ製プレートの装着や耐久性の高い塗装を施すことで、よりタフに仕上げた。

レクサス「OVERTRAIL PROJECT」

乗用車では立ち入れない場所にも入って行ける、走破性の高さが「ROV CONCEPT 2」のコンセプト。トヨタが長年にわたって取り組んでいる水素エンジンもポイントだ。

ここに紹介した3台を見ながら改めて感じるのは、SUVこそ最も自然に接近するクルマであるということだ。SUVで自然の懐に飛び込むことで環境意識を高めるというレクサスのアプローチには、なるほど、その手があったかと思わされる。

サトータケシ/Takeshi Sato
1966年生まれ。自動車文化誌『NAVI』で副編集長を務めた後に独立。現在はフリーランスのライター、編集者として活動している。

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クルマの最旬学

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TEXT=サトータケシ

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