人気のレストランを訪れる機会が多い食通が今、感じているのはテキーラの大きな躍進。話題の中華や焼肉でそのムーブメントを体感! 今回は東京・西麻布の「セントラル(中環)」をご紹介。【特集 弩級のSAKE】

食通からの信頼も厚い名手の中華料理の新店でサルー!
伝統を守る心を持ち、革新を続ける。口にするのは容易だが、それを実行するには多くの苦労を伴う。知識と技を磨き、情熱を失わず、時代の変化を受け入れること。自己鍛錬の心を持ちながら、他者の喜びのために尽力するという生き方を貫く大城戸克徳氏。日本を代表するグランメゾンと食の新時代を創生するファインダイニングでの経験を生かし、独立後はまったく新しいスタイルの食空間を生みだしてきた。
同じビル内にモダンフレンチ「西麻布 es」と会員制のワインバーを構え、2025年の12月にはもともとウェイティングスペースとして使用していたフロアで点心をはじめとした中国料理を提供する「セントラル(中環)」をオープン。コースも用意するが、主軸となるのはアラカルト。しかも、深夜までの営業とあって、食を愛する人の間で早くも話題を呼んでいる。
店には全世界のワインを揃え、コアなワインラバーも信頼を寄せる大城戸氏が今、可能性を感じているのがプレミアムテキーラだ。海外ではシャンパーニュ同様に歓びを分かち合うための酒として知られ、自身の思いがつまったテキーラをプロデュースするセレブリティも多数。
「日本でも、テキーラを取り巻く環境には変化が生まれている」と大城戸氏が言うように、バーやメキシコ料理店が“主戦場”だったテキーラをさまざまなシーンで見かけるように。あらゆる料理、酒のジャンルに精通するプロが「未知の可能性を感じる」と言うのならば、マークしておくべきなのはいうまでもない。
明確な個性を持ったテキーラの真価を
悪酔いしやすい、飲みづらいなど、日本ではまだまだ誤解されている部分もあるが、テキーラはメキシコの歴史とともにある高貴な酒。伝統製法による緻密な味わいや独特のボトルの形状から「テキーラはアート」と感じさせるクラセアスールは、ラグジュアリーな場にこそふさわしいテキーラとして認知度を高めている銘柄のひとつだ。
「(それぞれのテキーラには)明確な個性があり、ファーストインプレッション、ミディアム、アフターの表情がかなり豊か。自由なお酒なので、食中酒として愉しむならソーダ割りにしても。中華や和食にも合う料理があるので、固定観念を持たずに楽しみたいです」と大城戸氏。
日本のテキーラの新時代が、すぐそこまでやってきた。


大城戸克徳/Katsunori Okido
愛知県生まれ。名古屋のレストランで勤務後、2009年に有楽町『アピシウス』に入社。「SUGALABO」に参画後、統括マネージャーとして辣腕ぶりを発揮し、独立後は会員制ワインバーや「西麻布 es」を擁する自身のビルで挑戦を続けている。
この記事はGOETHE 2026年2月号「総力特集:その一滴が人生を豊かにする、弩級のSAKE」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら




