GOURMET

2024.12.19

30人限定、会員制、入会金220万円。ファインダイニング、西麻布「es」に潜入

西麻布の裏通りで、食とワインを心から愛する人のためだけに開かれる“美食の扉”。シャンパーニュとともに、唯一無二のひとときを――。【特集 シャンパーニュの魔力】

「es」のシャンパーニュとサンドイッチ
アンリオ リナタンデュ・シャルドネ グランクリュ 2018×イタリア産トリュフのサンドイッチ
手でつまむサンドイッチ(料理はすべて¥33,000のコースの一例)は、トリュフやパルメザンチーズの香りがダイレクトに鼻に抜ける。アンリオ(¥38,000)のトースト香と洗練された酸やミネラルのニュアンスを重ねた、まさに馥郁たるマリアージュ。

シャンパーニュと美食の饗宴

ビル1棟のフロアごとに幹や収穫の歓びなど、ブドウの樹にまつわるテーマを設け、30人限定の地階の会員制サロンの入会金は220万円に設定。その内容だけ聞けば、いかにも港区という印象を受けるが、食とワインの愛好家が“水先案内人”を求めるなら、これほどふさわしい場所はない。

名古屋のフレンチを皮切りに「アピシウス」や「ロオジエ」といったグランメゾンで経験を積み、「SUGALABO」では統括マネージャーとして辣腕ぶりを発揮。その後、独立を果たし西麻布の裏通りに「es」を開業した。

オーナーの大城戸克徳氏は経歴こそ華麗だが、それ以上にワインやゲストと向き合う姿には、自らがソムリエの素質として不可欠という誠実さがにじむ。レストランの機能を持つフロアは、イタリアの天然大理石とシャンパーニュを彷彿とさせる黄金色の壁に彩られた煌びやかな空間。

「料理の旨みや塩味や、酸味の在りかを知らなければ、ワインを合わせることはできない」と、レシピ考案にも余念がない。

ワイン通がよくあれだけの種類を集めた、と賞賛するなかには、マリリン・モンローに愛されたことでも有名なパイパー・エドシックの“レア”ものも。

既成概念にとらわれず美食の時間に身を委ねれば、きっと新たな世界が拓かれるはずだ。

※シャンパーニュの価格は、店舗にてボトルで提供する際の価格です。

「es」オーナーの大城戸克徳氏
大城戸克徳
オーナー。愛知県出身。「アピシウス」や「ロオジエ」で勤務した後「SUGALABO」の統括マネージャーに。2022年に自身の店「es」を西麻布にオープン。

西麻布 es
住所:東京都港区西麻布2-15-3 espaceビル
TEL:非公開
営業時間:17:00~、20:00~の2部制
定休日:日・水曜
客席数:8席(地下のワインセラールームは6席、1Fのラウンジは12席)
omakaseのサイトから予約を受付け

【特集 シャンパーニュの魔力】

この記事はGOETHE 2025年1月号「総力特集:シャンパーニュの魔力」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら

TEXT=小寺慶子

PHOTOGRAPH=中庭愉生

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