そうだ、京都でシャンパーニュを飲もう、と思い立つ。新幹線に乗って降り立った京都は、錦秋と雅の世界。繊細でいて奥深い、京都の泡文化がそこにある――。今回は、木屋町の「Cave de K(カーヴ・ド・ケイ)」を紹介する。【特集 シャンパーニュの魔力】
泡好きは京都を目指す!
シャンパーニュ好きが京都を目指すのには理由がある。それは、「会いたかった人、思いもよらなかった名酒、見たかった古都の風景に出合える理想の世界」が、そこにあるから。
何気なく立ち寄ったバーで、希少なシャンパーニュに出合い、その1杯が驚くほど美味だったら。さり気ないもてなしが洒脱で、なんとも心地よかったら。その幸せな出来事は、いつまでも胸に残る。そして「雅な晩秋の京都で、またシャンパーニュを」と心が動くのだ。
マグナムをグラスで。専門店ならではのもてなし
名バーと評される店が多い京都のなかでも、シャンパーニュに力を注ぐ先駆け店が、「カーヴ・ド・ケイ」だ。店主の西田稔氏は、日本屈指の名バーテンダー。クリュッグのアンバサダーも務めている。その西田氏が「シャンパーニュの達人」と全幅の信頼を寄せるのが、店を任される田端康昭氏。
「10年前の開業時から、クリュッグはもちろん、その時ベストの状態を迎えるシャンパーニュをマグナムボトルでご用意し、グラスで味わっていただきます。シャンパーニュはなんといっても、飲み頃が肝心だからです」
この日も、熟成感と酸の余韻が心地いい「クリュッグ グランド・キュヴェ 169 エディション」のほか、「ジャクソン ディジテール ルージュ 2013」など6種類のマグナムが並んでいる。自宅ではなかなか開けられないからこそ「マグナムの芳醇な味わいやバランスがとれたフレッシュさを、たとえ1杯でも味わってほしい」のだと田端氏は言う。
クリュッグ自慢のバーだけあって、ヴィンテージやオールドボトル、特級畑の「クロ・デュ・メニル」など希少なボトルも多数揃う。常に20種類は用意するというフランス産の食べ頃チーズとともに、ボトルごとの魅力を飲み比べてみたくなる。
この記事はGOETHE 2025年1月号「総力特集:シャンパーニュの魔力」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら