「お酒との相性とともに、ストーリーあるアイテムを」と語る、ワインジャーナリスト瀬川あずさ氏のとっておきの3選とは? 【特集 最高の手土産】

味だけではなく、背景やストーリーも手土産を楽しむ要素に
仕事でもプライベートでも、ワインや日本酒の会などに参加することが多いというワインジャーナリストの瀬川あずさ氏。手土産は日々さまざまなお店で、お酒との相性を考えながらチェックしているという。
「当日登場するお酒とのペアリングを意識することはもちろんですが、さらにお渡しする際には、手土産の情報やストーリーをしっかりお伝えできるようにしています」
例えば、今回予算オーバーになってしまったが、フランスとスイスの国境付近でつくられるチーズ「モンドール」。販売期間は9月10日~翌年5月10日と規定されているチーズなので、冬~春の手土産に最適。そんな一言があれば、より印象深い手土産に。

「ただ季節限定なので、実は以前、他の方とかぶってしまったことも。でも運がいいことにフランス産モンドールとスイス産ヴァシュラン・モンドールだったので、逆に食べ比べできる貴重な機会になりました。王道のペアリングはヴァン・ジョーヌですが、熟成してハチミツのニュアンスを呈したシャンパーニュに合わせるとこれまた格別です!」
今回選んでいただいたものも、作り手の歴史や食材のこだわり、素材の珍しさなど、どれも語りたくなるストーリーがあるものばかり。
そんな手土産を囲めば、お酒との相性だけではなく味わいの深みも増していく。集う方たちとの話もきっとはずむはずだ。
瀬川あずさが選ぶ5000円以下の「酒に合う」手土産3選
1. カマンベールドゥノルマンディAOC マダムHISADA/フロマジュリーヒサダ(東京)
日本人初最高位チーズ熟成士の審美眼で選ぶチーズ

熟成とともに外皮は段々茶色く変化し、その外皮に包まれた中身に深みのある香りとコクが出てくるそう。色づいた外皮を薄く取り除き、中身だけを食べるのがパリジャン流。繊細な中身の美味しさと口溶けを楽しめるとか。250g ¥3,601(フロマジュリーヒサダ伊勢丹新宿店 TEL:03-3352-1111)
日本人初のチーズ熟成士最高位「Maître Fromager(メートル・フロマジェ)」である久田早苗氏が約20年前にパリで創業したのが、チーズショップ・フロマジュリーヒサダ。
「彼女の審美眼によって選ばれた高品質なチーズはどの商品も魅力的なのですが、知名度が高い定番チーズほど、味の違いが明確にわかります。『カマンベールドゥノルマンディ』は特におすすめです」
昔ながらの製法で、無殺菌乳を使用して作る元祖カマンベールは「一般的なカマンベールとは全く異なる深い味わい」と瀬川氏。その言葉通り、包装を開けると香りが一気に立ち上り、きめ細やかなチーズは口に入れればその味わいの深さに、自然とワインを誘うはず。
「ナッツやドライフルーツ、ハチミツなどとセットで持参しても喜ばれると思います。冷涼産地のワインのほか、シードルやフルーティーな純米大吟醸との相性も抜群です」
2. Kanae Bar&フローラナッツのセット/Bardon(東京)
素材にとことんこだわったナッツバーなら、罪悪感もなし

Kanae Barは、創業者が英国で地球と身体に優しいナッツバーに出合ったことがきっかけで誕生。毎日自社工場で手作りされている。Kanae Bar 4種各1本 / フローラナッツ 5個¥3,890(Bardon TEL:0297-21-4087)
化学肥料・農薬不使用栽培で、8割がフェアトレード認証を取得した素材を使用し、保存料・着色料などの人口添加物も一切不使用のこだわりのナッツバー。
「ドライフルーツの凝縮された果実風味とナッツの香ばしさは、果実味豊かな赤ワインや樽のニュアンスを感じる白ワインにもピッタリ。デーツの優しい甘さがクセになりますが、自然素材なのでちょっと食べすぎても罪悪感なく楽しめます」
セットのフローラナッツも、自社で発芽させたオーガニックナッツを使用し、安心かつナチュラルな味に。
「引き出し型パッケージも愛らしく、美容や健康意識が高い方への手土産に最適です」
3. レコルテ・ドゥ・ショコラ「オリーブ」/ジョンカナヤ(東京)
オリーブとショコラ!? 意外な組み合わせがクセになる

オリーブの粒そのままの一口サイズなので、開けてすぐ食べやすいのもポイント。60g ¥1,458(ジョンカナヤ TEL:03-6273-1971)
「ナッツやドライフルーツなどを高品質なクーベルチュールで包んだコレクション“レコルテ・ドゥ・ショコラ”。いろいろな味があって楽しいのですが、そのなかでもお酒にあわせるなら『オリーブ』がイチオシです」
グリーンオリーブの粒をそのままグラッセにし、58%カカオのオーガニックショコラでコーティング。ほのかに塩気を感じるオリーブとリッチなショコラの組み合わせは斬新かつお酒に確実にあう一品に。
「デザートとしてだけではなく、アペリティフのお供として食前にも楽しむことができるのが魅力。オリーブの味わいをしっかり楽しめるので、甘いものが苦手な方にもおすすめしたい逸品です」

