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2024.06.21

気鋭の鮨、希少な蕎麦。中田英寿が通う、和食店2選

人間のあらゆる欲求は、時に人生を突き動かす原動力となる。「僕の場合は、圧倒的にそれが知的好奇心なんです」と言うのは中田英寿さんだ。【特集 ゲーテイスト2024】

中田英寿が通うとっておきの和食店2選

中田英寿が伝統文化に心惹かれる理由

日本酒の蔵元やお茶の生産者、伝統工芸の作家を訪ね、日本全国を飛び回る日々。それはすべて、自らが知識を深め、長い歴史のもとに育まれた日本の文化を次世代に継承するという、使命にも似た思いからだ。

「もちろん、伝統を守りたいという気持ちはありますが、そんな大げさなことではなくて僕は日本酒にしても工芸にしても、農業にしても自分の目で見て学ぶことがとても楽しいんです」

先頃、大盛況のうちに幕を下ろしたCRAFT SAKE WEEKには、全国から中田さんと親交のある日本酒の蔵元が集結。イベントを成功に導くための道のりは平坦ではなかったが「日本酒の魅力を知り、多くの人と分かち合いたい」という想いが、常に中田さんの心を鼓舞した。

多忙の合間を縫って飲食店を訪れる際、心が惹きつけられるのもそうした知的好奇心が刺激される店。最近、訪れた神楽坂の『鮨 大矢』は、幼少期から海外に暮らし、大学卒業後に世界でその名を知られる銀座『鮨よしたけ』で修業した大矢庸二氏が腕を揮う店だ。

「設えや器使いが印象的で、正統派の江戸前という軸を持ちながら柔軟な感性で握るにも独自性を感じました」

情報はあくまで正しい知識を得るための指標のひとつ。だからこそ、中田さんは自分で体感することに意味があると言う。 

中田さんは以前から「食事はその楽しさや価値をシェアするもの」と話していた。和食でもイタリアンでも焼肉でも、その時間を分かち合うことで充足感を得られるというのは変わらないが、その中田さんがひとりでも通う店が、西麻布から目白に移転した『蕎麦 おさめ』だ。昔ながらの方法で栽培される在来種の蕎麦を使用する店は東京でも少なく、さらにその蕎麦を毎日使う分だけ、製粉する。

「移転前から昼にひとりでうかがうこともありました。冷たいお蕎麦はせいろ、粗挽き、玄挽きと3種あるのですが、僕はだいたい全部いただきます。産地によって味わいや香りが違うのはワインにも共通する部分がありますよね。在来種は、その土地固有の品種なので風味に個性があります。

僕は蕎麦の生産者を訪ねることもあるので、その情景を思いだすと味わいはより深くなる。食べることは知るということ。人生の何千か何万分の一のうちの一日が楽しくなるかどうか、心豊かに過ごせるかどうかは知識をどれだけ持つかで変わってくると思います」

自分の目と心のフィルターを通して、中田さんが食を追い求める情熱は、いっさいブレることはない。

1.鮨 大矢|神楽坂

グローバルな感性が息づく気鋭の鮨店

幼少期からアメリカに暮らし「日本の伝統や文化に関わる仕事がしたい」と鮨の道へ。銀座の『鮨よしたけ』で9年修業を積み、2023年年5月に独立を果たした大矢庸二氏。

つまみ6~7品と握り13貫前後を供するコースは3万8,500円。粒立ちのよいシャリは酢の主張が強すぎず、魚の個性が引き立つ塩梅に。江戸前の仕事を踏まえながら、穴子のツメの隠し味にイタリアの薬草酒を使うなど、自由な感性で鮨道を追求する。

宮崎県の作陶家、荒川真吾氏をはじめとした器使いも見どころのひとつ。日本酒もさまざまなタイプを揃えており、外国人客のもてなしの場としても、重宝すること間違いなしだ。

鮨 大矢/Sushi Oya
住所:東京都新宿区袋町3-6 神楽坂センタービル ANNEX3F
TEL:03-6228-1868
営業時間:18:00~/20:30~
座席数:カウンター7席、個室6席
定休日:日曜 

2.蕎麦 おさめ|目白

日本の気候風土に育まれた在来種の蕎麦を

目白の趣ある日本家屋で在来種の蕎麦を味わえると食通を魅了。店主の納(おさめ)剣児氏は、18歳で蕎麦職人を志し、千葉県・柏の『竹やぶ』へ。『東白庵かりべ』などを経て独立する際、東京では数少ない在来種の蕎麦に特化。その土地で栽培され続けてきた蕎麦は香りが鮮烈で風味も力強い。

昼は予約制で営業しており、前菜盛り合わせや卵焼きなどの蕎麦前とせいろや粗挽き、蕎麦殻ごと挽きこむ玄挽きを堪能できるコースを提供。夜は一品料理で日本酒を飲み、好みの蕎麦で〆るもよし。温かい蕎麦のなかでは、5日かけて炊いたにしんそばも人気。真摯に日本の蕎麦文化を探求する店に粋の真意を知る。

蕎麦 おさめ/Soba Osame
住所:東京都新宿区下落合3-21-5
TEL:03-6908-2362
営業時間:11:30~L.O.14:00、17:30~L.O.20:00
定休日:月・火曜
座席数:20席、個室1室(2~4名)

【特集 ゲーテイスト2024】

この記事はGOETHE 2024年7月号「総力特集:恍惚レストラン ゲーテイスト2024」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら

TEXT=小寺慶子

PHOTOGRAPH=菊池陽一郎

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