レストランを愛してやまない秋元康、小山薫堂、中田英寿、見城徹が選ぶ、最強のレストランガイド「ゲーテイスト2024」。皿とともに料理人のほとばしる情熱を心ゆくまで味わいたい、“料理人の覚悟”を感じる店をご紹介。今回は東京・西麻布の『蒼』。
秋元「極端を究めるべく、日々自分と闘っている驚異の料理人」
日本の最高峰と評価される生産者を自ら訪ね、産地の気候風土なども理解したうえで直接仕入れているオーナーシェフ峯村康資氏。フレンチをベースに極上食材の魅力を五感で堪能させてくれる。
秋元 久々にすごみを感じる料理に圧倒されました。
見城 毎日毎日命を賭けて食材と料理に向き合っているという感じ。素晴らしかったです。
中田 ずっと行きたいと思っていますが、予約が取れなくて。
小山 僕も予約が取れなくて。
秋元 まず、食材がすごいんです。愛媛のカリスマ漁師、藤本純一さんや、神奈川の仲買人「さかな人」の長谷川大樹さんから魚を届けてもらっていますよね。
見城「命を賭けて料理と向き合うクレイジー振りと美味しさに驚嘆」
見城 峯村シェフはバーテンダーからスタートして、のち、独学でフレンチの勉強しながら24歳でビストロの料理長になったんだとか。
秋元 でも、10年もの間鳴かず飛ばずで。それで一度最高の食材で料理を作ってみたいと思い立ち、愛媛の藤本さんに魚を送ってほしいと電話をしたそうです。
中田 やはりできる人は的確な行動力がありますね。
秋元 藤本さんは最初は断ったけど、何か引っかかるものがあって峯村さんのお店に実際に食べに行き、その圧倒的な才能を感じたそう。
見城 藤本さんをはじめ、日本各地40ヵ所の浜と契約をしていたり、野菜もトップ生産者を訪ねて信頼関係を築いているらしいね。
秋元 包丁の話もすごくて、1日10本使うらしいんですけど、それを毎日研師に送って研いでもらっているって。それに、魚の血管を洗うのは硬水、料理に使うのは超軟水など、こだわりを挙げたらきりがない。
小山 狂気を感じますね。
秋元 コースは藤本さんの神経〆の真鯛を1尾使ったコンソメから始まり、極上食材が洗練のひと皿になって13皿ほど。どれも忘れ難い美味しさでした。
見城 シンプルですが、味は奥深く美しい。最近行ったなかで出色のイノベーティブです。
蒼/Ao
オープンは2020年1月。魚料理のスペシャリテを多数生みだしている峯村シェフだが、出身地はなんと海のない長野県だとか。
住所:東京都港区西麻布3-21-3 オリンピアード麻布霞坂2F
TEL:03-6434-9829
営業時間:17:00~/20:30~(一斉スタート)
定休日:水・木曜
座席数:カウンター8席
料金:¥49,500~(食材の入荷状況により変動あり)。ワインペアリング¥13,200~
※予約はOMAKASEから毎月60席受付けている。
この記事はGOETHE 2024年7月号「総力特集:恍惚レストラン ゲーテイスト2024」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら