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2024.01.30

新宿・地上200m! 天空の鉄板「天祐」で日本一の鹿児島黒牛を食してきた

2024年2月29日までの期間限定で、絶景とともに、和牛日本一の「鹿児島黒牛」を味わえると聞きつけ、早速新宿・歌舞伎町にある地上48階建て東急歌舞伎町タワー内のラグジュアリーホテル「BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel」を訪れた。天空で出合った、日本一の和牛とは!?

BELLUSTAR TOKYO鉄板「天祐」ステーキと野菜

東急歌舞伎町タワー内「ベルスター トウキョウ」の鉄板焼へ

5年に一度開催される「全国和牛能力共進会」をご存知だろうか? 全国の和牛チャンピオンを決定する和牛の祭典だ。2017年と2022年の2大会連続で和牛日本一を獲得した鹿児島黒牛が東京で食べられると聞きつけラグジュアリーホテル「BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel」の鉄板「天祐」へ。実はこの時期、同じくラグジュアリーホテルのザ・キャピトルホテル 東急、セルリアンタワー東急ホテルでもこの鹿児島黒牛を鉄板焼で食べられるのだが、この2つのホテルには行ったことがあるので、今回は、昨年開業したばかりの「ベルスター トウキョウ」に行ってみた。

2023年5月の新規開業を経て、新宿でもひときわ存在感を放つ「ベルスター トウキョウ」。西武新宿駅側にある専用入口から、レセプションがある18階に一気にエレベーターで上り、そこから45階のレストランフロアへと向かう。地上の喧騒とは打って変わって上質な空気感が漂い、そのアプローチはこれから日本一の和牛を食す期待感をさらに高めてくれる。

お目当ての鉄板「天祐」に入ると、カウンター席越しに目に飛び込んでくるのは地上200mの絶景。晴れた日には富士山を望め、西の方角に向いた窓からは運が良ければ美しいサンセットも見ることができるそう。カウンター10席のみで、席に着くと空を見上げると言うよりは、ちょうど街並みを眼下に見下ろし、晴天時には富士山まで望むことができるダイナミックな眺望。まさに天空のレストランの名にふさわしい。

鹿児島黒牛を実食!

お目当ての和牛日本一を獲得した鹿児島黒牛は、鉄板「天祐」のランチコースで2024年2月29日までの期間限定で提供される。サーロインを存分に楽しむ「鹿児島黒牛ステーキランチコース」(¥13,000)と、ヒレ肉を加えた「天彦ランチコース」(¥16,000)の2コース。二人で来て、味わいの違いを感じるべくサーロインもヒレもどちらも味わうのもお薦め。

コースは口取り、前菜、天祐サラダ、鹿児島黒牛、焼野菜、白飯またはガーリックライス、赤出汁、香の物、季節のデザートといった構成。メインは鹿児島黒牛ではあるが、コース内にも鹿児島の食材を取り入れているそう。この日は、バジルソースでさっぱりといただく鹿児島県などで珍重するキビナゴの口取りでスタート。鹿児島県指宿(いぶすき)のグリーンピースを使ったポタージュスープは、青臭さがなくグリーンピースと玉ねぎのほのかな香りと甘みが口の中に広がりとっても美味。素材を厳選し、その味を生かす調理法のこだわりを聞きながら、ひと品ひと品食べ進めるのも楽しい。

ホワイトバルサミコとオリーブオイル、塩のみの味つけにこだわった人気の定番サラダの後には鹿児島黒牛が登場! 目を見張るのはサーロインとヒレの上品な霜降り(サシ)の入り方だった。

焼き加減はミディアムレアでオーダー。ひと口サイズに切られた肉は歯切れがよく、噛むごとにジュワーっと肉の甘みが口中に広がる。肉の旨味をしっかりと味わえて、美味しさの余韻が長く続くように感じた。また同時に、和牛でありながら脂が軽くて、あっさりしているのが非常に好み。だが、実は「和牛でありながら」という概念自体が間違っていたのだ。

ゲーテ読者には無類の肉好きが多いが、年を重ねるにつけ「和牛は美味しいけど、サシが多すぎるとあまり食べられなくなった」なんて残念がる声もある。そんな想いを汲み取ってくれる和牛がここにはある。

“和牛オタク”のシェフが繰り広げる和牛ワールド

鉄板「天祐」は石垣島の希少な「きたうち牧場 プレミアムビーフ」をシグネチャーとしている。“和牛オタク”と自他ともに認める和牛の匠・木村のぶ子シェフが日々、和牛の特性を見極めている。和牛を育てる農家の考え方や、それに伴う牛の育て方はまったく異なるそう。つまり味わいも千差万別で、和牛=脂っぽいと、ひと括りでまとめてしまうにはあまりにも勿体無いことなのだ。

「10数年以上前に鉄板焼きの世界に入った時、実は肉より魚派でした。でも、美味しいお肉に出合って衝撃を受けてから、なぜそのお肉が美味しいのか知りたくなり、農家さんを訪ね、お話を聞いたりして学び、今に至ります。

和牛とひと口に言っても、部位によって赤身や脂身の強弱があります。モノの状態を見て選別しますが、お客様の食べ方の好みもありますので美味しさに正解はありません。ただ、料理人自身が『美味しい!』と自信を持ったものをご提供したいですし、農家さんたちの想いをちゃんと届けたいと思っています」

BELLUSTAR TOKYO鉄板「天祐」木村のぶ子シェフ
“和牛オタク”と自他ともに認める和牛の匠・木村のぶ子シェフ。

和牛を愛するシェフによる、肉好きのための肉選び。木村のぶ子シェフは、肉の旨みを存分に楽しめるけれど、ちょうどいい脂の塩梅を目指しているのだ。今回は鹿児島フェアということで、和牛日本一の鹿児島黒牛のなかでも、シェフが変わらない想いで選別した肉が食べられる。

「黒毛和牛で一番大切なのは血統。そして、サシをどういう状態に持っていくかが農家さんの腕の見せどころだとも感じています。期間限定でお出しする鹿児島黒牛は、肉質がきめ細かく柔らかいのが特徴です。バランスよく織り込まれた不飽和脂肪酸を多く含むことで融点(脂が溶け出す温度)が低く、脂身は口の中で溶けます。

この鹿児島黒牛も、私たちの好みをわかってくださっている取引先の方から仕入れているので、上質なことはもちろん、私たちが目指す和牛だと自負しています。自分自身が美味しいものに目がないので、より美味しい状態のものを、より美味しく食べていただきたい。だからこそ、取引先の方々とは良いことも悪いことも含めて、意見交換をします。こまか過ぎる料理人だと思われているかもしれませんね(笑)」

BELLUSTAR TOKYO鉄板「天祐」ステーキ
「鹿児島黒牛 サーロイン(手前)、ヒレ(奥)」をミディアムレアで。食事の後、もたれることなく、美味しい余韻と記憶だけが残った。

一般的に、牛肉の脂肪に含まれる成分である不飽和脂肪酸が多い良い牛肉ほど融点(脂が溶け出す温度)が低く、体内で液体になるため、消化が早くて胃もたれしづらいと言われている。さらに、不飽和脂肪酸は血液中のコレステロールを下げてくれる働きもある。肉好きならば、「良い和牛を適量食べることは罪悪感ゼロ!」と心の中でガッツポーズではないだろうか。

日本一に輝いた鹿児島黒牛の美味しさを一度は体験してほしいのはもちろんのこと、鉄板「天祐」ではなかでもシェフが目を光らせた、ちょうどいい塩梅のサシの厳選された和牛をいただけるというのが肝だ。「ジュワーっとジューシーなのに後味があっさりしている」の秘密は、農家さんの信念や好み、そしてシェフのこだわりが合致した賜物だったというわけ。

思いがけない幸運を意味する、店名である「天祐」。まさに和牛の世界への思いがけない新たな扉を開いてくれた。

TEXT=谷内田美香(ゲーテ編集部)

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