今、旅好きの外国人がデスティネーションに選ぶのは都会ではなく、自然豊かな奥の地。美酒と美食を心ゆくまで楽しめるオーベルジュをご紹介。【特集 ニッポンのSAKE】
美マリアージュを堪能する
近年、世界中で日本酒への関心が高まっており、海外からのゲストが田舎の酒蔵を訪れるという。そんななか、酒蔵と密接な関係を持ち、美酒と美食を提供する宿泊施設が人気を博している。
趣ある重要伝統的建造物群保存地区に佇む「御宿 富久千代」もそのひとつ。佐賀県肥前浜宿の銘酒「鍋島」で知られる日本酒の蔵元、富久千代酒造が運営する一日一組限定の“酒蔵オーベルジュ”だ。
地元の食材をふんだんに用いた和食に合わせるのは、30種類以上の「鍋島」。なかには、ここでしか口にできない瓶内二次発酵のにごり酒も楽しめる。さらに、限定銘酒を購入できるなど、宿泊客だけの特典も用意する。
日本遺産に認定されるほどの美しい“石の文化”が根づく石川県観音下町(かながそまち)に、新たなシンボルマークとして誕生したのが「オーベルジュ オーフ」。
酒蔵、農口尚彦研究所と隣接し、レストランで味わえるお酒は能登杜氏四天王のひとりに数えられる、農口氏が手がけたものだ。口に含むと柔らかく品のある甘みが広がり、シェフが織りなすイノベーティブなフレンチとのペアリングはこれ以上ないほどの贅沢。
西荻窪で人気のイタリアン「トラットリア29」のオーナーシェフが、2022年、故郷の川場村で開いたのが「ヴェンティノーヴェ」。
1907年創業の土田酒造の敷地内に位置し、酵母を昔ながらの手作業でつくる全量生酛(きもと)づくりを貫く力強い日本酒が味わえる。滋味溢れる料理とのマリアージュは舌と心にガツンと響く。美酒と美食に酔いしれたあとは、2階のベッドに倒れこむだけ。これぞ大人のみに許された至福の時間だ。
その土地ならではの「料理人渾身の美味×特別な日本酒」に酔いしれに出かけたい。
1.佐賀・肥前浜宿|御宿 富久千代
住所:佐賀県鹿島市浜町乙2420-1
料金:ひとり1泊¥121,000~(2名1室利用時、夕朝食つき、税・サービス料込)
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2.石川・観音下|Auberge “eaufeu”(オーベルジュ オーフ)
住所:石川県小松市観音下町ロ48
料金:ひとり1泊¥37,500~(2名1室利用時、夕朝食つき、税・サービス料込)
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3.群馬・川場村|VENTINOVE(ヴェンティノーヴェ)
住所:群馬県利根郡川場村谷地2593-1(土田酒造敷地内)
料金:1泊¥35,500~(2名1室利用時、夕朝食つき、税・サービス料込)
公式サイトはこちら
この記事はGOETHE 2024年1月号「総力特集: ニッポンのSAKE」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら ▶︎▶︎特集のみ購入(¥499)はこちら