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2023.12.03

シャンパーニュ界のレジェンドがつくる日本酒「IWA 5」の最新傑作

シャンパーニュ界のレジェンド、ドン ペリニヨンの元醸造最高責任者、リシャール・ジョフロワ氏が富山でつくるテロワールの「IWA 5」の最新作とは──。【特集 ニッポンのSAKE】

IWA 5 アッサンブラージュ4
IWA 5 アッサンブラージュ4
立山連峰の麓に位置する白岩地区に酒蔵を構え、白岩の「岩」から「IWA」と命名。そして、バランスと調和を示す普遍的な数字「5」を添えた。カテゴリーとしては純米大吟醸。ボトルは世界的デザイナー、マーク・ニューソン氏が手がけた。¥14,300(白岩 https://iwa-sake.shop

伝説の醸造家の夢の実現

壮大なプロジェクトが始動してから数年が経過した。場所選びから設計まで行った世界的な建築家で、旧知の隈研吾氏による酒蔵も2021年完成。'23年秋、「IWA 5」の最新作となる「アッサンブラージュ4」の披露のため来日したリシャール・ジョフロワ氏は、立山連峰も富山の海も見える田んぼに囲まれた酒蔵で新作について語った。

「酒にとってのテロワールは、米そのもの以上に蔵にある」

ワインの世界で使われるテロワールという言葉。これは素材となるブドウが生まれ育つ場所の環境、いわゆる風土とそのブドウを手入れする人の存在を意味する。ワインの品質や特性はブドウしだいであるため、テロワールに重きが置かれている。

しかしジョフロワ氏は酒にとってのテロワールは蔵だと言う。全国に1000以上の酒蔵が存在しているが、どの蔵の設計もひとつとして同じものがなく、そのレイアウトは酒質やスタイルに関係すると考えている。

「水、人、蔵のレイアウト、マイクロフローラ(微生物叢[そう])、そして造りが酒に反映される」

3種類の米を4ヵ所の産地から取り寄せ、5つの酵母を使用し、毎年32個の最新のイタリア製ステンレスタンクで醸す。そしてシャンパーニュでいうリザーヴワインならぬ、リザーヴ酒も複数種類貯蔵。新酒と貯蔵酒合わせて40〜50種類に及ぶ個性の異なる酒から、およそ20種類を緻密に組み合わせ、アッサンブラージュを構築する。

その後、一年以上にわたり瓶内熟成されて「IWA 5」は完成する。これまでの日本酒の考え方から並外れた、独創的な手法である。「アッサンブラージュのデザインは毎年変わるので、新たな発見をして楽しんでほしい」

アッサンブラージュ4の鍵は完璧なバランスと複雑さ

さて、'23年秋にリリースされた「IWA 5 アッサンブラージュ4」は、どのような味わいなのだろうか。

第4弾の鍵となるのは完璧なバランスと複雑さ。甘味、酸味、旨味、苦味のバランスを追求した結果生まれたという。バランスが秀逸なため、ある意味で飲みやすく感じる人が多いに違いない。それはジョフロワ氏がドン ペリニヨン時代に使っていた言葉「シームレス(継ぎ目のない)」に通じるものがある。

また、豊かさと軽やかさを兼ね備え、深みと複雑性があり、余韻が長い。これはまさにアッサンブラージュの為せる業だ。

「この複雑さがあるからこそ、料理が『IWA 5』のさまざまな側面を引きだしてくれる。『IWA 5』をつくりはじめてから、しだいに点と点が結びつき、手持ちの札が増え、何をどうすればどのような結果になるかわかってきた。だからマジシャンのように皆さんに驚きを与える準備も整い始め、私の夢のプロジェクトが結実しようとしている」

ジョフロワ氏は未来を想像しながら微笑んでそう語った。

Richard Geoffroy
1954年、シャンパーニュ地方に生まれ、長きにわたりドン ペリニヨンの醸造最高責任者として世界中を駆け巡った。2018年に後陣に引き継いだ後、長年温めてきた夢である酒づくりに着手。

その味わいに沸いた「IWA 5」最新作の披露会

2023年に収穫した米での酒づくりが始まる前の9月末、16ヵ月の瓶内熟成を経た「IWA 5 アッサンブラージュ4」の披露会が行われた。伝統芸能でのウエルカムと醸造所見学の後は、土間で新作と第1弾、第3弾との比較だけでなく、第1弾の「お燗」も供され、大いに沸いた。

「IWA 5」最新作披露会の様子
左:土間では「鮨し人」木村泉美氏が腕を振るった。右:ゲストを迎えたのは、県西部の伝統芸能「越中いさみ太鼓」の演奏。

【特集 ニッポンのSAKE】

この記事はGOETHE 2024年1月号「総力特集: ニッポンのSAKE」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら ▶︎▶︎特集のみ購入(¥499)はこちら

TEXT=名越康子

PHOTOGRAPH=筒井義昭(IWA 5 アッサンブラージュ4 画像)

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