あらゆるモノが集まる国際都市ドバイは、食も多様性が高く、世界中から有名シェフが集い腕を振るう。なかでも今最も話題のレストランが「トレシンド・ストゥディオ」だ。従来のイメージを覆す、驚きに満ちたインド料理を堪能すべし! 【特集 熱狂都市・ドバイ】
新感覚のインド料理が楽しい、ドバイ屈指の劇場型レストラン
2023年版ミシュランガイドで2つ星を獲得し、同年の「世界のベストレストラン50」では、ニューエントリーながらいきなり11位にランクインするという快挙。人工島、パーム・ジュメイラにあるインド料理店「トレシンド・ストゥディオ」は、ドバイのみならず世界でも指折りのレストランとして高い評価を受けている。
ワンフロアの店内に席数はわずか20。その日のゲストが揃いテーブルにつくとコースがスタートし、前菜からデザートまで16品の料理が次々とサーブされる。品数は多いがそれぞれのポーションは小さく、料理の説明とともに「ひと口で」あるいは「2、3口でお召し上がりください」とウェイターが声がけをしてくれる。
口にするのが惜しいほど繊細に仕上げられた料理の数々。そこには一般的にイメージされるインド料理とは、まるで違う世界が広がっている。
メインシェフを務めるのは、ヒマンシュ・サイニ氏だ。
「私はインドの農家の出身で、たくさんのハーブや花に囲まれて育ちました。その後、デリーのレストランで修業を積み、野菜やスパイスをふんだんに使う伝統的なインド料理を学んだのです。たいていの人はインド料理というと、カレーを思い浮かべるでしょう。値段が安く、庶民的な料理しかないと考えている人も多いようです。でも、インド料理はもっと多様で、大きな可能性を秘めている。私の使命は、新しい見せ方やエクスペリエンスを提供することで、インド料理の地位をもっと向上させていくことにあるんです」
コースが進むなか、料理と料理の合間に4度“勉強”の時間が訪れる。インドの地図を持ったウェイターが各テーブルを回り、使っている食材やスパイスの起源について説明。料理の背後に秘められた物語を垣間見ることができるのだ。
また、すべての砂が落ちきるとデザートが運ばれてくるという円形の砂時計アートや、店内にかかるサウンドなど、さまざまな仕かけもディナーの時間によいアクセントを加えてくれる。
キッチンはオープンスタイルで、シェフたちが目の前で手際よく料理を仕上げていく様子はまさに劇場のようだ。
「今まで体験したことのない究極の驚きを与えたい」と話すヒマンシュ氏。「トレシンド・ストゥディオ」は食の常識を打ち崩す、最先端の“魔法のレストラン”なのだ。
Tresind Studio/トレシンド・ストゥディオ
住所:St. Regis Gardens-The Palm Jumeirah
営業時間:18:00~25:00
TEL:58-895-1272
座席数:20席
定休日:月曜
料金:AED850~
※完全予約制
1ディルハム(AED)=約¥40 ※2023年10月11日現在
この記事はGOETHE2023年12月号「総力特集: ヒト・モノ・カネが集まるドバイ」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら