富裕層のあらゆるリクエストに応える会員制コンシェルジュサービスを手がける才津香果さんが、「贈り物としても使っている」という究極のお取り寄せグルメを教えてくれた。【特集 最高のお取り寄せ】
お取り寄せは、最高のギフトを見つけるためのツール
予約困難なレストラン手配から、アフリカで象に乗りたい、というリクエストまで。会員制コンシェルジュサービス、アルカディアを運営する才津 香果(さいつかぐみ)さんのもとには、日々さまざまな依頼が舞いこんでくる。時には「仕事相手への手土産を用意してほしい」という依頼もあるため、センスのよいお取り寄せリストを社内で常に共有、日々アップデートしているという。
さらに才津さんは、旅のコンシェルジュも行い、年間のほとんどを海外で過している。日本にいる貴重な時間は、効率的に海外のクライアントにも発信できる“日本のいいもの”を見つけるべく、気になるお店を見つけたらお取り寄せをしているそうだ。
「取り寄せたいな、と思うものは、自分で最初から作ると大変だなと思うもの。コンパクトに小分けされていて、好きな時に食べることができるもの、そして自分のご褒美的になるものが多いですね。
また日持ちするものを、いくつか取り寄せておけば、急にクライアントと会うことになった場合でも、手土産にすることができて便利です。わざわざ取り寄せてくれたの!? と驚かれますから(笑)」
そう冗談めいて笑う才津さんだが、その実、手土産には常に心を配っている。
「例えば、一粒1,000円のチョコレートって、値段的には買えますけど、自分では買わないですよね? 自分ではわざわざ買わないけれど貰ったら嬉しい、そういうものを贈って、先方にラグジュアリーな気分になってもらいたいんです」
才津さんにとっては自分用になにかを取り寄せるといのは、いわば「誰かに渡す前に、自分で食べてみる」という確認作業のようなもの。贈りたくなる、極上の一品を見つけるための旅を、日々続けているのだ。
才津 香果のとっておきのお取り寄せ3選
1. お酒のお供になるクッキー
unis「サブレ・サレ」
完全紹介制のレストラン、SUGALABO出身の薬師神 陸シェフが率いる虎ノ門のフレンチレストランunisが作るクッキー。「サレ」とはフランス語で「塩気のある」という意味で、「スモーキーパルメザン」「トマトアンチョビ」など、まるで料理のような味付けの5種が詰め合わせになっている。
「おつまみになるクッキーで、自分へのご褒美として家に置いてあります。男性はわざわざ自分用にお菓子を買うことは少ないので、贈るととても喜ばれる一品です」
2. 山奥の名店に、行かずとも食べられる!
比良山荘「猪と花山椒の鍋」
滋賀県大津の比良山地山麓にある料亭、比良山荘。なかでも猪鍋が人気でこれを目当てにわざわざ世界中から多くの人が訪れる。比良山地で仕留めた猪と、花山椒、筍、ワラビ、クレソン、セリ、なめこ、と山の恵みがふんだんに詰まったこの鍋が季節限定でお取り寄せ可能。
「比良山荘は訪れるのがなかなか大変な場所にありますので、お取り寄せできるなんて、こんなに素晴らしいことはありません! コロナ禍で外食ができなかった頃に、このお取り寄せにハマりまして、以来季節になれば必ず注文しています。比良山荘に行かれたことのある方に贈ってさしあげると、とても感動されますよ」
3. まるであの銘酒!? 糖分補給の最高峰
緑寿庵清水「究極のヴォーヌ・ロマネ ヴァン ルージュ(赤ワインの金平糖)」
世界最高のピノ・ノワールを生み出すと呼び名の高いヴォーヌ・ロマネの赤ワインが染み込んだ金平糖。創業1847年、日本唯一の金平糖専門店「緑寿庵清水」の職人による手作りの一品だ。
「伝統のある金平糖店が、本気で作った贅沢な一品です。桐箱に入っていて、これは完全に贈り物用としてお取り寄せしています。ワインがお好きな方にお渡しすると、とても盛り上がりますよ。緑寿庵清水さんではピュリニー・モンラッシェ・ヴァンブランの金平糖もあり、伝統がありながらも、新しい挑戦をされているのが素晴らしい。自分用には季節限定のさくらんぼの金平糖を買って、仕事中に糖分補給をしています」