「美味しいものは地方にあり」。仕事で地方に行く機会も多い岸博幸氏イチオシのお取り寄せ品とは⁉【特集 最上級のお取り寄せ】
自分のペースで注文できるかどうかも重視
「日本の食文化は世界最高水準。都心の名店と呼ばれるところだけでなく、地方にもおいしいものがたくさんあります。というか、コスパを考えたら地方の方が上。お取り寄せは、それを実感できる絶好の機会ですね。コロナ禍でお取り寄せを始める店が増えたので、以前より頻繁に利用していますよ」と、大学院教授のほか、一般企業や自治体、総合格闘技団体の役員を務め、テレビや雑誌でも活躍する岸博幸氏。
お取り寄せにおける岸氏の信条は、「情報はネットの口コミに頼らず、信頼できる友人知人から」と「自分のペースで注文できる」こと。
「どんなにおいしくても、注文できる日や曜日が決まっていたり、届くまでものすごく待たされたりと、店側の都合に合わせないといけないものは選びません。だって、手に入った時にはもう『食べたい!』という気持ちが失せているかもしれないから」
場所や時間に制約されることなく、自分の心が赴くままに美味を堪能する。それこそが、お取り寄せの真髄なのかもしれない。
岸博幸のとっておきのお取り寄せ3選
1. 他の柚子こしょうには戻れない!
MIFUKUAN「黄金のなま柚子こしょう」
「仕事仲間から、『佐賀県にすごい柚子こしょうがある』と教えてもらい、取り寄せたところ衝撃的を受けました。この味を知ったら、もう他の柚子こしょうには戻れません」と、岸氏が絶賛するのが、MIFUKUANの「なま柚子こしょう」シリーズ。
ベースとなるのは、自社農園で自然栽培した実生の柚子と、契約農家から取り寄せる在来種の唐辛子。「なま柚子こしょう(青)」は熟す前の青い柚子果皮と青い唐辛子を、「なま柚子こしょう(赤)」は完熟した黄色い柚子果皮と熟した赤い唐辛子を合わせ、「黄金のなま柚子こしょう」は、黄色く熟した柚子の皮をたっぷり用い、黄色い唐辛子で仕上げることで、華やかな黄金色と香りを実現。
「とくに気に入っているのが『黄金のなま柚子こしょう』。有名レストランや国際線のファーストクラスでも使われていたそうですが、それも頷けるほどのおいしさ。生タイプだから冷凍で届くのだけど、辛過ぎず、フレッシュ感があって、どんな料理にでも合うんです。刺身はもっぱらワサビの代わりにこの柚子こしょうをつけて食べていますが、本当にうまい! パッケージが洒落ているから、手土産やプレゼントにも活用しています」
2. 郷愁を誘うバタークリームの虜に!
まるたや洋菓子店「スイスロール」
幼少期からロールケーキ、それも昔ながらなバタークリームを使ったものが大好きだという岸氏が、「発作的に食べたくなって定期的に注文する」のが、静岡県浜松市の老舗、まるたや洋菓子店の「スイスロール」。バタークリーム系の店が年々減少し、寂しさを感じていた時に、知人に教えてもらったという。
「バタークリームが濃厚なのに重過ぎず、すごくおいしい! 一口食べて虜になりました。家族みんな好きだけど、一番ハマっているのは僕。いつもひとりで半分は食べちゃいますね。1本8切れ分だそうですが(笑)。郷愁を誘うのか、同世代に贈るとすごく喜ばれる。昭和生まれへの鉄板手土産としても重宝しています」
3. 知る人ぞ知る銘酒に出会える!
天洋酒店の秋田の地酒
「銘柄ではなく店推しですが」と、岸氏が教えてくれたのが、秋田県能代市に店を構える天洋酒店。扱うのは地酒のみ、秋田の蔵元とも親交が深い店主が家族と共に営む小さな店だ。
「新政を筆頭に、日本酒で今最も勢いがあるのが秋田県。ただ、個人経営の蔵元は大量生産ができないので、秋田県内でしか出回らない銘柄も少なくないんです。そんな貴重な日本酒をお取り寄せできるのが、この天洋酒店。東京ではお目にかかれないようなレアものも多く、酒好きへのギフトにすると間違いなく感激されます。店主は、あの『NEXT 5』の名づけ親で、チャレンジングな蔵元たちと一緒になって秋田の日本酒や酒蔵を発展させようと奮闘している人物なんですよ」
「NEXT 5」とは、秋田県内の5つの酒蔵の跡取りたちが、次世代を見据え、秋田の酒造りをけん引する存在を目指し、2010年に結成したユニット。メンバーには、「白瀑」や「山本」で知られる山本酒造、「ゆきの美人」の秋田醸造、「春霞」の栗林酒造、「一白水成」の福禄寿酒造、そして、「新政」の新政酒造の跡取りたちが名を連ね、酒造技術と品質向上を目指して勉強会などを開催。日本酒業界では珍しく、共同醸造にも取り組んでいる。天洋酒店の店主は、このグループ結成に当初から携わり、イベント開催のサポートなども務めているという。
「そうした関係性からか、限定酒など珍しいお酒を扱っているのも魅力なんですが、何より店主の日本酒愛がすばらしい。SNSやメルマガで発信する秋田の地酒情報はどれも愛がこもっていて、興味深くて、そそられるんですよ。で、ついポチッとしてしまう(笑)。自分ひとりでは辿り着けないような情報を得られ、日本酒の楽しみ方が広がりました」