接待で訪れるレストランと同様に、ここぞというときの手土産リストを常にアップデートしてこそ、デキるビジネスパーソン。とはいえ、相手の趣味趣向よりも安心感を優先して、ついつい定番モノに頼りがちという人も多いのでは?『ゲーテ』毎年恒例のレストラン特集「ゲーテイスト」では秋元康氏が推薦するレストランの取材を担当する凄腕フードライターの小寺慶子に手土産のセレクトのポイントを聞いてみた。
ストーリーがあり、心が弾むものを
手土産もレストランと同じようにTPOが大切だと思います。ホームパーティであれば自分が持参をするので、多少かさばったり重くてもいいのですが、もし会食のときに相手に渡す場合は、できるだけ持ち帰りの負担にならないように。そして、多忙な方の心が少しでもやわらぐような華やかさであったり、特別感も大切。見た目はもちろん、東京でも限られた場所でしか買えなかったり、並ばないと手に入らないなど、そうした手土産は喜ばれることが多いです。“手土産慣れ”をされている方にはありきたりだとつまらないし、なによりも日頃の感謝の気持ちが伝わるような、とっておきを選びたい。
私がいただいて嬉しかったのは、吉祥寺『小ざさ』の羊羹。先着50名、1人3本までしか購入できないという“幻”の羊羹で、早朝から整理券を求めるひとで行列ができる店です。味が上品でとても美味しいのはもちろんですが、その特別感に心を掴まれました。
今回はホリデーシーズンにぴったりなものをテーマに、ストーリーがあり、贈る側ももらう側も心が弾むような商品を厳選してセレクト。ぜひ、参考にしていただけたら嬉しいです。
フードライター・小寺慶子とっておきの手土産3選
1.いまの時期の気分の高揚感が増す
フルーツ専門店ベルガモットの「苺のバスケット」
フルーツコンシェルジュが選んだ旬の果物をシーンや予算に応じてアレンジ。カットフルーツやバスケットボックスはホームパーティの手土産にも人気。「果物好きの方は多いので、手土産に選ぶこともしばしば。こちらの苺のバスケットはお洒落さや既視感のなさも重視したいというときにおすすめ。こぼれんばかりの旬の苺を盛りつけたバスケットのハッピー感に目も心も釘付けになります。プチサイズのフルーツをボックスに詰めた“プチフル”も華やかで、女性にとても喜ばれます
2.ミシュランの3つ星の日本料理店がつくる和スイーツ
いったつみとらどうの「椰子の白わらび餅」
2021年にリニューアルをした帝国ホテル 東京内のホテルショップ「ガルガンチュワ」で販売。ミシュラン3つ星店として海外にもその名を馳せる「神楽坂 石かわ」と「虎白」が監修しており、わらび粉とココナッツミルクで練り上げたもちもちした食感にファン多数。パッケージに高級感があり、開けた時はもちろん食べた時のインパクトも大きいです。目上の方への手土産としても重宝する、特別感のある逸品です。ちなみにガルガンチュワではイートインもできます。
3.国内外で高い評価を集めるレストランの、遊び心があって可愛らしい焼き菓子
TAKAZAWAの「necocookie」
海外からも多くのゲストを迎えるレストラン「TAKAZAWA」。オーナーシェフの高澤さんの猫好きが高じて生まれたクッキーは長野県白馬産の玄米粉と米粉のみを使用。抹茶、ほうじ茶、紅茶、コーヒー、ココアの5種のフレーバーがひと缶に入っている。猫ちゃんのポージングもさまざまで、あまりの愛らしさに缶を開けた瞬間、歓声があがること間違いなし。猫好きにとってたまらニャい、特別な焼き菓子です。
小寺慶子/Keiko Kodera
肉を糧に生きる肉食系ライター。趣味は肉旅(ミートリップ)と食べ物回文を考えること。「なんだと! 茄子出すな!」と旦那(怒り心頭)。Instagram:@koderin1224