引退後に始めたゴルフが、ここまで人と仕事をつなぐとは思っていなかったという。元バレーボール日本代表の狩野舞子さんが明かす、ゴルフを通じて広がった意外な人脈と仕事のチャンス。インタビュー後編ではゴルフが生んだ出会いと、ラウンド中の“あるある”も本音で語ってもらった。#前編

ゴルフが連れてきた、想像もしなかった出会い
予期せぬ世界へと連れていってくれる──それも、ゴルフの大きな魅力のひとつだ。
2018年に現役を引退してからゴルフを始めた狩野さん。アスリート仲間と行くことも多いが、いつの間にか思わぬところまで交友関係が広がっていったという。
「ミュージシャンの方ともゴルフをすることも多く、ケツメイシの大蔵さんやDragon Ashの DJ BOTS さんとラウンドしたり、YouTubeでは湘南乃風のRED RICEさんともコラボしたり。
ゴルフがあったからこそ実現できたんです。昔から大好きだったアーティストの方々と一緒に回っているなんて、今でも夢みたいな気分になります」
そしてゴルフで得たつながりは、さらに仕事でも大きな効果をもたらしてくれると感じている。
「ゴルフをご一緒したことから、本当にいろんな企業の方とつながりができました。私を介することでバレーボールの魅力を知っていただいたり、私が携わっている女子アスリートの環境づくりや課題解決を目指す『Woman's ways』の活動も理解していただいたり。ゴルフをきっかけに自然と私自身のアイデンティティをわかってもらい、活動につながっていくことがすごくうれしいです」

会食よりラウンドへ。肩書きを外して向き合えるのがゴルフ
ゴルフの場では、肩書きや上下関係といったフィルターに縛られず、相手と自然体で向き合える。そんなゴルフならではの楽しさを実感しているという。
「夜のお酒の場や、いきなり会食に誘われるよりも、『ラウンド行きましょう』と言われるほうが気持ち的に楽なんですよね。グリーン上でプレーしながら、ゴルフの話をきっかけに、自然といろんな会話が広がっていく。ゴルフ場は、フラットな感覚でお互いに向き合える、すごく健全な場所だと思います。
以前は『なぜ、みんなゴルフをやるんだろう?』と思っていましたが、自分が始めてからはこんなにもいいつながりが増えていくのだと、その理由がようやくわかった気がします」

1988年東京都生まれ。バレーボールの名門「八王子実践」ではエースとして春高バレーなどで活躍。久光製薬スプリングスに入団後は全日本代表で国際大会にも出場。その後故障などによりチームを退団。世界最高峰と言われるイタリア、トルコの2大海外リーグに挑戦した後、ロンドンオリンピックで銅メダルを獲得。日本に復帰後、2018年6月に現役を退き、現在はバレーボールの解説や普及活動のほか、女子アスリートがストレスなく競技に集中できる環境づくりや課題解決を目指す『Woman's ways』の理事としても活動中。
女性ゴルファーが感じる、アドバイスとのちょうどいい距離感
仕事関係も含め、さまざまな人とラウンドする狩野さんだからこそ、あえて伝えたい“ゴルファーへのお願い”もあるという。
「ちょっと気になるのが、教えたがりな方たち(笑)。ラウンド中に『こうしたらもっといいのに』って言われることが多いんです。アスリートだからかアドバイスすればこの人はできるはずと期待されているのかもしれませんが、できれば自分のスタイルでやりたいなと思うこともあって」
その一方で、こんな共通点も感じているそうだ。
「本当に上手な人ほど、何も言わないんですよね。プロアマでも、プロはもちろん聞けばアドバイスしてくれますが、それまではああしろ、こうしろとは言わずその人のやり方を尊重してくれる。どちらかというと微妙なレベルの方が多いような……。あくまでも個人的統計ですが、かなり当たっていると思います(笑)」
これまでのベストスコアは、レディースティーで78。前半はなんと35という驚異的なスコアも達成した狩野さんにとって、ゴルフは常に真剣勝負だ。
「始めた頃は、ボールをなくしたら出してもいいよと言ってくれる方が優しいなと思っていました。でもやっぱり、アスリートとしては真剣にやりたい気持ちが強くて(笑)。
ありがたい気持ちはありつつも、可愛げないかもしれないですが手加減せず、いちプレーヤーとして見ていただけるとうれしいですね」
イーグル達成、その先へ。目標はパープレイヤー
ゴルフ歴4年。最近はバーディを取る機会も増えた。
「去年は初めてイーグルを取ったんです! もうめちゃくちゃ嬉しくて。でも次のホールでいきなりOBして、パー4で8打(笑)。『これは逆にすごい』って笑われました。でも、その怖さも含めてゴルフの面白さだなって」
次なる目標は、さらなる飛距離アップ。
「240〜250ヤードは飛ばしたいですね。周りからの期待も大きいので(笑)。その先の目標になると思いますが、いつかはパープレイをしてみたいです」



