アクセサリーとして考えるなら、その究極形はジュエリーウォッチ。カクテル光線のなかで輝く、夜を楽しむための時計だ。【特集 時計をつける悦び】

夜に映える悦び
懐中時計の時代にさかのぼると、そのほとんどは王侯貴族の趣味のアイテムであり、華やかなデザインやエナメル画、そしてジェムセッティングを行うことで、ライバルたちとセンスを競い合うというものだった。
それは現代のジュエリーウォッチにも通じる感覚だ。根本的なことを言えば、時計がキラキラ輝く必要はない。しかしその時計が“特別な時間を演出するためのもの”であると考えるなら、華やかに輝くジュエリーウォッチほど、その場にふさわしいものはないのだ。
しかも卓越した職人技も堪能できる。時計のケースは立体的で、ダイヤルにはさまざまな要素が集約している。そこにさまざまな形にカットされた宝石をセッティングしていくのは、まさに神業である。つまりジュエリーウォッチは、卓越した時計技術と宝飾技術の両方を楽しめるということになる。
もちろんこういった時計は、日常使いするものではない。むしろこういう時計が似合う場所に積極的に出かけるための動機づけとして使ってほしい。腕で華やかに輝くジュエリーウォッチが周囲とのコミュニケーションを生みだし、新しい人脈が生まれる。それこそが役割だ。
1.ハリー・ウィンストン|HW オーシャン・デイト ムーンフェイズ オートマティック 36mm
“キング・オブ・ダイヤモンド”の名にふさわしく、1000個を超えるダイヤモンドを、ケースやダイヤル、ブレスレットに隙間なくセッティング。宝飾技術の最高峰だ。世界限定10本。


2.タサキ|バランス WAC 0121
人気のジュエリーコレクション「バランス」の、繊細な丸と直線を組み合わせるデザインコードを時計に取り入れた。ダイヤル素材は内包物がキラッと光るアベンチュリンで、ベゼルにはダイヤモンドをセッティング。繊細な造形美で、手首に色気を加える。

3.ピアジェ|アルティプラノ グローイング ウィーブ
ケース厚7.39mmの薄型トゥールビヨン。ケースにはエメラルドとダイヤモンドをセットし、ダイヤルは貴石のマラカイトとクリソプレーズ、そしてダイヤモンドでマルケトリ装飾を施した。美と技の集大成だ。世界限定8本。

4.ウブロ|ビッグ・バン ウニコ チタニウム ジュエリー
定番クロノグラフのケースやベゼル、ダイヤルに、436個(約3.8ct)のダイヤモンドをセット。人気モデルの新しい魅力を引きだした。加工が難しいチタン素材をここまで美しく表現できるのも、ウブロのすごさである。

この記事はGOETHE 2026年1月号「特集:つける悦びを知るLUXURY WATCH」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら

