時計のデザインに丸形が多いのは、針先が円運動することで時刻を示すという時計の構造に最も適した形状であるからだ。一方、角形ウォッチのルーツは20世紀初期の「アール・デコ」にある。これは工業化と芸術性のせめぎ合いのなかで生まれたデザイン様式で、その後の時計デザインにも大きな影響を与えている。

角形ウォッチで鮮度感のある腕元をつくる
事実、カルティエ「サントス」やジャガー・ルクルト「レベルソ」といった角形ウォッチは、いずれも20世紀初期に生まれた傑作であり、今なお魅力的な新モデルが生みだされている。
また、現代的な感性から導きだされた時計にも注目だ。パテック フィリップ「CUBITUS」(キュビタス)は同社社長、ティエリー・スターン氏の肝煎りの新コレクションであり、存在感のあるケースを驚くほど薄型に仕上げている。また、リシャール・ミル「RM 16-02 オートマティック エクストラフラット」は、新素材となるテラコッタクオーツTPT®を使用して、ケースを印象的に演出している。
つけるだけで個性的な存在感が加わる角形ウォッチは、ファッションの幅を広げてくれるだけでなく、新鮮な印象を腕元に加えてくれるのだ。
1.パテック フィリップ|CUBITUS Ref.5822P
25年ぶりの新コレクションは角形!
サイドの“耳”は傑作「ノーチラス」に範を得たが、シャープな造形は新鮮な印象。ケースは薄型設計で装着感は抜群だ。
2.ジャガー・ルクルト|レベルソ・トリビュート・クロノグラフ
反転式だからこそ、この機構が可能になる
1931年生まれの角形デザインを継承。反転するケースの裏面にクロノグラフ機構を組みこんだ。表と裏で異なる表情を楽しみたい。
3.リシャール・ミル|RM 16-02 オートマティック エクストラフラット
シャープなケースはテラコッタ色を採用
新型ムーブメントの「Cal.CRMA9」は、幾何学模様のブリッジを採用しており、さらに直線を強調する。
4.カルティエ|サントス ドゥ カルティエ
時計史に残る角形ウォッチ
1904年に誕生した世界初の紳士用腕時計「サントス」の流れをくむ本モデルは、強さと優美さを内包。スケルトン構造のメカニズムも魅力だ。