連載「ヴィンテージウォッチ再考」の第39回は、ロレックス「コスモグラフ デイトナ Ref.6262」を取り上げる。
ペルー空軍に正式採用された手巻きデイトナ
優れたツールウォッチであったロレックスの腕時計は、各国の軍隊で公式で採用された過去を持つ。
有名なところでいえば、イギリス海軍に支給された「サブマリーナー Ref.5517」。
しかし、現在あまりにも人気があるため偽物も多く出回っており、本物と出合える機会は滅多にないというのがヴィンテージロレックス愛好家の共通認識だろう。
軍に供給されたのは「サブマリーナー」だけではない。「コスモグラフ デイトナ」もそのひとつだ。
いくつかの軍隊で採用されたのだが、たとえばオマーン軍のモデルがオークションなどで市場に出た場合、1億円以上のプレ値がつくことも予想される。
今回紹介する1970年製のロレックス「コスモグラフ デイトナ Ref.6262」は、ペルー空軍のためにつくられた貴重な1本。
裏蓋には、軍用モデルであることを示した「FUERZA AEREA DEL PERÚ」の刻印が入る。
パーツの整合性に関しては、消耗品であるブレスレット以外はオリジナリティを保っており、剥がれ落ちやすいトリチウムの夜光塗料も、十分なレベルをキープしている。
大変希少な軍用の手巻きデイトナ。コレクターズアイテム、あるいはステータスシンボルとして、燦然とした輝きを放つ、愛好家垂涎の逸品だ。
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リベルタス TEL:06-6643-9455