連載「意欲的新作ウォッチ」第166回は、ゼニスの「デファイ 21 クロマ Ⅱ」を取り上げる。
かつてないアイデアでレインボーカラーを落とし込んだクロノグラフ
ゼニスは去る2023年8月、ブランド史上最もカラフルなブラック&ホワイトセラミックで仕上げた2つのタイムピース「デファイ 21 クロマ Ⅱ」を発表した。カラーダイヤルに始まり、さらにはケース素材、ジェムセッティングと、積極的にカラーデザインが取り入れられている。
このモデルは、 2022年のLVMHウォッチウィークで初めて披露された限定エディション「デファイ 21 クロマ」をアレンジしたものだ。
2つの「デファイ 21 クロマ Ⅱ」は、ブラックセラミックのモデルでは原色をベースとしたトーン、もう一方のホワイトセラミックのモデルではブルーとピンクを強調したより明るいトーンと、同じカラースペクトラム(レインボーカラー)を異なるトーンで表現している。
これらのアレンジは文字盤だけでなくケースの外まで広がり、リューズのラバーグリップリングやコーデュラ・エフェクトのラバーストラップのステッチにまで及ぶ。
オープンワークの文字盤には、ケースと色を合わせたクロノグラフカウンターがあり、その下には特別な装飾を施したムーブメントが覗く。
各ブリッジは、異なるメタリックカラーで仕上げられ、インデックスのグラデーションに合わせている。
文字盤とサファイアガラスのケースバックからは、独自の構造に最高の性能と精度を備えた1/100秒計測の高振動自動巻きクロノグラフCa.lエル・プリメロ 9004を眺めることができる。計時機能用とクロノグラフ機能用に動作する2つの調速機関と輪列を備え、それぞれ5Hz(毎時 36,000 振動)と、50Hz(毎時 360,000 振動)の振動数で動作。とりわけ1秒で1周する非常にダイナミックな特徴を持つクロノグラフ針は見応えがある。
クロノグラフの名門ゼニスによる新たな挑戦は物の見事に成功した。未だかつてない時計全体にレインボーカラーを落とし込むアイデアは秀逸だと言わざるを得ない。腕元に流行のレインボーカラーを取り入れたい方にうってつけのタイムピースが誕生した。
問い合わせ
ゼニス ブティック銀座 TEL:03-3575-5861
■連載「意欲的新作ウォッチ」とは……
2023年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる“活きのいい”モデルを厳選! 時代を超えて輝き続ける、腕時計のパワーを改めて感じて欲しい。