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2018.03.22

口悦|大人のわがままをかなえてくれる赤坂の家庭の味。

名店であればあるほど、味わいや店の雰囲気は他には真似できない。見城徹と小山薫堂氏が一生忘れることのできない店を語り尽くす。復活を心待ちにしていた名店とは――。

口悦

秋元康、小山薫堂、見城徹が心待ちにしていた、伝説の名料亭の復活劇

歴代の総理大臣や各界の著名人を迎えてきた名料亭『口悦』が昨年の12月に割烹として生まれ変わった。店を切り盛りする2代目女将の渡邉純子さんは「昔、赤坂には100軒以上の料亭があって、夕方にはお座敷に向かう芸者さんの姿が見られたものだけど、時代の移り変わりもあって、どんどんお店がなくなってしまったの」と話す。

小山氏も秋元氏も見城もかつて、幾度も足を運んだというなじみの店。「すっぽんがとても美味しかった」と秋元氏が言えば、見城も「アジフライも旨かったんだよな」と目を細める。

割烹として、新たに生まれ変わった『口悦』に小山氏が訪れたのは、昨年末のこと。きっかけは、懇意にしている中華のシェフに「最近のお薦めは?」とたずねたことだった。

カウンター主体のメインダイニング。

カウンター主体のメインダイニング。肩肘張らない雰囲気も魅力。 以前の店の欄間なども再利用している。

「あの口悦が復活したと聞いて嬉しかったですね。それはすぐに行かなくてはと思った」

料亭『口悦』とは、場所もスタイルも変わったが、テーブルや椅子、隣接するバーに飾られた絵画は「前の店からそっくりそのまま持ってきた」と女将。小山氏も「格のある雰囲気やお料理はまったく変わっていなくて嬉しかったです」と言う。

「個室はなく、メインダイニングとバーのみ。でも、ここの常連の方はひとりで食事をしたり、バーでゆっくりと寛いでいたり、思い思いの時間を過ごしているんです。普段、お店で他のお客さんとバッティングするのを避けている方でもリラックスできる。僕はここを ”一流のケ” だと思っていて。だから、福山くんもこの雰囲気が気に入るはず。料理も素晴らしく美味しいからついいろいろ食べちゃうんだけど、割烹の醍醐味って選べる楽しさにもありますよね」

ダイニングに隣接するバー。

ダイニングに隣接するバー。食後はここに移動してゆっくりお酒を飲む常連も多い。 バー利用のみも可。

旬の食材をさまざまな調理法で提供したり、卵焼きやポテトサラダなど、定番の惣菜があるかと思えばすっぽんの丸鍋やふぐの唐揚げといったメニューも。「高級な食材を使った料理と素朴な家庭料理が混在しているのがいい。男って、なんだかんだ昔から食べている家庭の味が好きだから(笑)」と言う小山氏のお気に入りは「やっぱりきんぴらとか関東風の卵焼き」

ばちこやあん肝など酒肴(しゅこう)は20種類以上を揃えており、お酒好きにとっても魅力的なラインナップ。「軽く飲んだり、好きなものを自由に食べたり。大人のわがままをかなえてくれる一流店は貴重。こういう店の存在がモチベーションを高めてくれます」

卵焼き。

卵焼き ¥1,800。ほんのり甘い関東風。常連客のほとんどがオーダーする人気メニュー。

イカこのわた。

イカこのわた ¥2,500。イカとこのわたを合わせた酒肴(しゅこう)。濃厚な味わいに日本酒がすすむ。

ふろふき大根。

ふろふき大根¥1,800。出汁の旨み、ほっこりとした大根の甘みが上品。器使いも美しい。

すっぽんの丸鍋。

すっぽんの丸鍋(1人前 ※写真は2人前)¥6,000。好みで生姜のシロップを加えて。

沢煮椀。

沢煮椀 ¥1,800。豚の上質な背脂と野菜で作る汁物。お疲れ気味の胃袋にやさしく沁みる。

牛ヒレカツ。

牛ヒレカツ ¥6,000。薄い衣をつけてレアに仕上げた牛ヒレカツは中濃ソースで。

ほしこ。

ほしこ ¥8,000。なまこの卵巣を乾燥させたもの。ここまで大きなサイズは希少。

ポテトサラダ。

ポテトサラダ ¥1,000。蒸したじゃが芋に人参ときゅうりを加えた素朴な味に心がなごむ。

Kouetsu
TEL:03-3585-0321
住所:東京都港区赤坂6-6-27 赤坂パークサイドビル
営業時間:17: 00〜L.O.22:30(バー 〜24:00)
休み:日曜・祝日
席:27席

TEXT=小寺慶子

PHOTOGRAPH=富澤 元

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