西野さんのビジネス書最新刊『北極星 僕たちはどう働くか』は、Amazon書籍総合第1位、オリコンBOOKランキング1位となる話題書。“ビジネスパーソンが目を離してはいけない人物”であり、何かにつけ注目を集める西野さん。今となっては信じられないかもしれないが、絵本作家としてスタートした17年前は、まったくといっていいほど注目されなかった。そこから孤軍奮闘。『えんとつ町のプペル』が生まれて2026年で10年。このIPをどんどん大きくしてきたのだが、いったいどんな思いで今に至るのか? 音声メディア「voicy」で配信中の「#西野さんの朝礼」から編集してお届けする。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ)
今回は【桃栗三年、柿八年、キャラクターIP二十年】というテーマでお話ししたいと思います。
第255回
IPは、これからの日本において最も重要な産業の一つ! にもかかわらず、日本では肝心の「IPの育て方」が、まだ十分に共有されていない。日本人は全員「桃栗三年、柿八年、キャラクターIP二十年」という感覚を!
IPは、これからの日本において最も重要な産業の一つ! にもかかわらず、日本では肝心の「IPの育て方」が、まだ十分に共有されていない。日本人は全員「桃栗三年、柿八年、キャラクターIP二十年」という感覚を!

強いIPは、植えたからといってすぐには育たない
『えんとつ町のプペル』が10周年を迎えました。
「10周年」に合わせたわけではないのですが、今年は特に、いろんな企業さんやメディアからコラボレーションのご相談をいただいています。
先日の東京国際フォーラムで客席を眺めた時も、そして先日発表された大きなコラボレーション企画(マクドナルドのハッピーセットに、プペル登場!)を前にした時も、「10年続けてきたからこそ、見える景色がある」ということを強く感じました。
どれも、1年目や2年目では決して浮上しなかった話です。
なので、時々耳にする、「いつまでプペルに、しがんでるんですか?」という言葉を聞くたびに思うのですが、もし、あの言葉に従って途中で手放していたら、この景色は、永遠に存在しなかった。
そして、その「たしかに、もう次へ行くべきかもしれない」と思わせる空気が、これまで数え切れないほど多くの可能性を摘み取ってきたのだろう、と。
IPは、これからの日本において最も重要な産業の一つです。
それにもかかわらず、日本では肝心の「IPの育て方」が、まだ十分に共有されていない。
今日のテーマにありますが、日本人は全員「桃栗三年、柿八年、キャラクターIP二十年」という感覚を持った方がいいと思っています。
桃や柿が植えた翌年に実をつけないように、強いIPもまた、植えたからといってすぐには育ちません。
物語は作品を積み重ねることで育ちます。
キャラクターはファンと時間を重ねることで育ちます。
それらが、本当の資産になるのは、世代を超えて受け継がれた時です。
にもかかわらず、たった二、三年程度で「まだそれをやってるの?」という空気が生まれてしまう。
もちろん、その一部は嫉妬からくるものです。
ですが、とくにオジサン達は、自分が嫉妬していることを全力で隠し、もっともらしい理屈を作ります。
「もう旬は終わった」
「次へ行くべきだ」
「それでは広がらない」
といった。
それらの理屈は、一見すると冷静で合理的に聞こえます。
けれど、そのタイムスケジュールでは、本来育つはずだったIPは、途中で刈り取られてしまいます。
幸い、僕は「知るか」で突き進める性格でした。
でも、多くのクリエイターは繊細です。
だから今日は、今まさに「まだそんなことをやっているの?」と言われている誰かに向けて、この話をしています。
夜明けが遅い仕事を選んだから、長いだけ
『えんとつ町のプペル』は、歓迎された作品ではありませんでした。
「分業制で絵本を作る」と発表した時には、アンチだけではなく、応援してくださっていた方からも、「西野さんの個性が無くなる!」「絵本は一人で作れ!」と、よく分からない理屈で批判されました。
映画化が決まればアニメファンから石を投げられ、
ミュージカル化が決まれば、演劇関係者やミュージカルファンの方々から、しっかりと嫌がらせを受けました。
歌舞伎になれば歌舞伎界から、バレエになればバレエ界から、そのたびに砂をかけられました。
もちろん、今も一部では残っています。
でも、続けていると、その隣に少しずつ別の声が増えてきます。
「面白かった。」
「救われました。」
「人生が変わりました。」
最初は一人だったその声が、いつしか二人になり、十人になり、百人になり、気がつけば、石を投げる人の存在よりも、応援してくれる人の存在の方が大きく見えるようになっていました。
そして、嫉妬や偏見を持たない子どもたちが出てきて、作品そのものを愛してくれるようになりました。
振り返れば、最初の『えんとつ町のプペル』は、「西野亮廣」という人間のファングッズにすぎなかった。
ですが今、劇場には僕のことを知らない世代がやって来ます。
お父さんお母さんが子どもに向かって、「この人がプペルを作った人なんだよ」
と教えています。
作品が作者の手を離れ、世代を超えて歩き始めました。
ようやく、「IP」と呼べる地平まで来られたのかもしれません。
聞こえますか?
どれだけ描いても朝が来ない人。
どれだけ作っても数字にならない人。
どれだけ続けても、誰にも理解されない人。
僕も、その長い夜を歩いてきたので、よく分かります。
その夜は想像していたよりもずっと長く、そして、嫌がらせのように世の中は「バズ」を毎日見せてきます。
一夜で成功したように見える人が、タイムラインを埋め尽くします。
すると、自分だけが取り残されたような気持ちになります。
「この道で、本当に合っているのだろうか」と。
そう思う夜は、この先も、きっと何度も訪れます。
なので、その時こそ「桃栗三年、柿八年、キャラクターIP二十年」という言葉を思い出していただきたいです。
IPとは、時間そのものが価値になる仕事です。
たかだか、2〜3年で、焦る必要はない。
あなたが歩いている夜は、間違っているから長いのではなく、
夜明けが遅い仕事を選んだから、長いだけです。
そうそう。
もし少し心が折れそうになったら、一度、河口湖の音楽と森の美術館へ足を運んでみてください。
僕の絵本の原画が展示されています。
あの原画を描くためだけに、数千本のボールペンを使いました。
そして、その膨大な時間を費やして完成させた絵本は、あまり売れませんでした(笑)
それでも描き続けたから、10年後の景色にたどり着けた。
IPとは、そういう仕事です。
だから、どうか急がないでください。
花が咲く速度は、種が決めます。
僕らが決めるのは、今日も水をやるかどうかだけです。
最新のお知らせ
西野亮廣の原画が常設展に! 河口湖音楽の森美術館にてスタート
詳細はこちら

マクドナルドのハッピーセットに、探し絵本『えんとつ町のプペルを探せ!』登場!

『映画 えんとつ町のプペル』を誰でもイベントで上映できるようにしたい!
「『映画 えんとつ町のプペル』上映会を開催できる権利」がクラウドファンディングのリターンに! 詳細はこちら
※こちらは『映画えんとつ町のプペル』(2020年12月公開) に関するクラウドファンディングです。『映画えんとつ町のプペル~約束の時計台~』(2026年3月公開)の上映権ではありませんのでご注意ください。

『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』の上映イベントを、西野さんの故郷である兵庫県川西市で開催!

祝! 西野亮廣共同プロデュース作品『キャッツ ~THE JELLICLE BALL~』が第79回トニー賞で3冠達成! 演出賞・振付賞・衣裳デザイン賞を受賞

Robloxにて、絵本「えんとつ町のプペル」の世界観をベースにしたアクションゲーム『CHIMNEY TOWN』ができました!
「えんとつ町のプペル」の世界を“観る”だけでなく、“入れる世界”に! 『CHIMNEY TOWN』のRobloxページはこちら。

『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』が、フランスのアヌシー国際アニメーション映画祭で特別上映決定!
前作『映画 えんとつ町のプペル』は、
『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』の人気キャラクター「モフ」のグッズが、新たに発売!

西野亮廣チャンネル注目回はこちら
【出版不況?】出版・書店業界を変える"IPビジネス"『西川仁×西野亮廣』
毎週キングコング【教えて西野先生】で『北極星』を楽しもう!
■【親子で学ぶ】とっても大切な投資の話
■とっても大切な「モチベーションの話」
■負けない「販売と集客」

「5分でふりかえる『えんとつ町のプペル』」というミニ番組が配信中!
新作『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』 をより楽しむために、【5分で振り返る前作の物語】をお届け!
注目のビジネス書
ミュージカルのお知らせ
■ミュージカル「えんとつ町のプペル」密着ドキュメンタリー【BackStory】
映画のお知らせ
■NEWS! コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』が、海外の映画祭で続々受賞!
【 フォトフィルム国際短編映画祭(トルコ)】
・ 最優秀作品賞(Best of Best Festival Film)
・ ストップモーション部門最優秀賞(Best Stop Motion)
【オーフス映画祭(デンマーク)】
・最優秀短編アニメーション賞(Best Animated Short)
【デザートスケープ国際映画祭(アメリカ・ユタ州)】
・最優秀アニメーション短編映画賞(Best Animated Short)
【ハリウッド短編映画祭(HOLLYWOOD SHORTSFEST 2025)】
・最優秀アニメーション短編映画賞(Best Animated Short)
【札幌国際短編映画祭(日本)】
・最優秀作曲賞(Best Original Score)
・アニメーション特別表彰(Special Award for Animation)
【ニューポートビーチ映画祭(アメリカ)】
・ アニメーション短編部門審査員賞(Jury Award for Best Animated Short)
【グローバルステージ・ハリウッド映画祭(アメリカ)】
・最優秀短編映画賞(Best Short 2024)
■NEWS! 第97回アカデミー賞(米)の短編アニメーション部門のショートリストに選出されました!
監督:堤大介(トンコハウス) 脚本:堤大介氏と西野亮廣の共同制作 プロデューサー:松本紀子(ドワーフ)
西野さんの『ボトルジョージ』に対する想いとは? こちらをチェック!

■コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』の専用劇場、『ボトルジョージ・シアター』がグランドオープン!

発売中&予約受付中
■CHIMNEY TOWNが運営するクラウドファンディング【PICTURE BOOK】

「挑戦する人」と「応援したい人」が集まる オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』を運営しているCHIMNEY TOWNが作った、クラウドファンディングのプラットフォームです!
■「CHIMNEY TOWN」の公式クレジットカード
「日常で当たり前に使っているものこそ、応援の手段にできる」の発想から、誰よりも優しいカードです。詳細はこちら。

イベントのお知らせ
『西野亮廣講演会』全国各地で続々開催決定!
『西野亮廣講演会』のお知らせです。
下記の都道府県で開催が決まっています。
- 7月23日(木)に大分
- 8月6日(木)に広島
- 9月30日(水)に千葉
私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。

