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2026.01.18

「正解疲れ」の時代、正しい人でい続けることに疲れた人へ

吉本総合芸能学院(NSC)にて10年連続で「生徒が選ぶ人気NO.1講師」に選ばれる、桝本壮志。授業の内容を書籍化した新著『時間と自信を奪う人とは距離を置く』は高い評価を獲得している。一方、合同会社CGOドットコムを創業し、「ギャルマインドで世の中のバイブスをアゲる⤴︎」というミッションを掲げて事業を展開する総長バブリー。豊かでハッピーな社会を目指す二人が、ビジネスパーソンの悩みに回答する。第1回のテーマは「正解疲れの時代にどう生きるべきか」。

「正解疲れ」の時代、正しい人でい続けることに疲れた人へ

正解は誰かに決めてもらうものじゃない

――現代は「正解疲れ」の時代といわれています。失敗したくない、炎上したくない……という思いから、周囲から「正しい人」と思われる生き方を求め過ぎてしまう。その結果、多くのビジネスパーソンが「正解疲れ」を感じています。ギャルマインドで自分らしい生き方を貫いているバブリーさん、枠にはまらない個性的なお笑い芸人を数多く育てている桝本さんは「正解疲れ」についてどう思われますか。

バブリー 私は親が教師だったこともあって、小さい頃から勉強に励んで、いい成績を出すことが正解だと教えられてきました。地元・甲府の進学校と呼ばれる高校に進んだんですけど、16歳の時に苦しくなっちゃった。親や先生が言う「正解」に自分を当てはめていく生き方が本当に正しいのだろうかと。それで、家出して大阪に行き、ギャルカルチャーに出合った。ギャルって可愛いし、めちゃ喋るし、めちゃくちゃ強い。そんなギャルの生き方に感銘を受けて、私もギャルになったんです。

桝本 「ギャルが強い」っていうのは、どういうところが?

バブリー
バブリー/Bubbly
CGOドットコム総長。山梨県甲府市生まれ。高校中退後、大阪へ家出し、ギャル文化に感銘を受ける。2022年に合同会社CGOドットコムを設立し、企業や団体の会議にギャルを送り込む「ギャル式ブレスト®」などの事業を展開する。

バブリー ギャルは「正解」を自分で決めるんですよ。世の中が言う「これがカワイイ」じゃなくて、自分がカワイイと思うものが「カワイイ」。その考え方がすごく強く見えたし、私自身も正解は誰かに決めてもらうものじゃないと知って、生き方がすごく楽になった。CGOドットコムではギャルマインドの柱を、「自分軸」「直感性」「ポジティブ思考」の3つと定義しています。相手がどうであれ、自分はこうしたいという意思を強く持って、どんな時にも自分のスタイルを貫いて生きていく。ギャルのスキルカルチャーとしてはファッションだけど、大事なのは精神性の部分です。

桝本 なるほど、バブリーさんが提唱するギャルマインドと、芸人マインドって似ていますね。芸人さんって育った家庭が複雑だったり、学生時代にいじめられたりした経験をもつ人も多いんです。そうした境遇に帳尻を合わせて生きていくことが「正解」だと思っていた人が、ある日、ラジオから流れる芸人さんの快活なトークにシビれ、人生の「別解」を知って芸人を目指すケースも多い。バブリーさんはギャルに救われましたが、お笑いに救われたお笑い芸人もたくさんいるんですよ。

バブリー 確かにそうですね。自分が「救われた」っていう経験があるから、人に対して優しくなれるし、世の中をハッピーにしたいと思う。

桝本 あと、芸人さんも「正解」を自分で決めています。世の中が言う「これが面白い」じゃなくて、自分が面白いと思うものが「面白い」。また、ギャルのファッションのように芸人さんも個性的な衣装に目が行きがちですが、大切なのはやはり精神性。親しみやすい見た目のペルソナを作って、そこに自分なりの意思やスタイル、つまり「正解」を投影させていくんですよね。

桝本壮志
桝本壮志/Soushi Masumoto
1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)および、よしもとクリエイティブアカデミー(YCA)の講師。2連覇した令和ロマンをはじめ、多くの教え子をM-1決勝に輩出している。新著『時間と自信を奪う人とは距離を置く』が絶賛発売中! 桝本壮志へのお悩み相談はコチラまで。

自分が選んだ道を「正解」にする

――ギャルマインドや芸人マインドを取り入れ、自分が正しいと思う生き方を実践すれば、「正解疲れ」はなくなる?

バブリー いや、疲れますよ(笑)。今、私はCGOドットコムという会社を運営していて、企業や自治体の会議にギャルを送り込んでいます。企業の人とフラットな立場でディスカッションすることで、現代の企業が抱えている閉塞感を打ち破ろうという事業を展開しています。代表として会社を回すためには、やはりビジネス的な「正解」というものがある。そこで疲れちゃうことはやっぱりあります。

桝本 僕も同じ。普段はチャランポランな人間ですが、講師として1400人の生徒を指導するとなると、そうはいかない。教育者、メンターという立場の「正解の振る舞い」がある。そういった背伸びをしている時間帯は疲れますし、苦しくなりますね。バブリーさんはそんな時にどう対処していますか。

バブリー ビジネス的な「正解」というものは存在するけれど、正解を求め過ぎることはしない。生き方に関わる部分では堂々と「不正解」を選べばいいんですよ。私は高校を中退して大阪でギャルになりましたが、そんなの誰の目にも不正解と映ったはずじゃないですか。でも、自分が選んだ道を正解にすればいい。正解を選ぶことより、選んだ道を正解にする方がより重要なスキルだと思うんです。

桝本 その感覚は本当に大切ですよね。芸人さんも「笑い」をとるためには「人に笑われる」「スベる」といった、普通なら「不正解」の役回りになることもあります。しかし彼らは、そういった恥ずかしい状況を「おいしい」という言葉に変換して、何度もミスや失敗を繰り返して「不正解慣れ」をしていくんです。こうした「常に正解を出し続けよう」でなく、「不正解にも慣れよう」という態度が、バブリーさんがおっしゃるように、自分で選んだ道を正解にしていくスキルにも通じると思いますね。

バブリー 自分が踏んだプロセスの先を正解にする。そのバイブスで生きていきましょう。

※2回目に続く

TEXT=川岸徹

PHOTOGRAPH=杉田裕一

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